ss 咲夜とレネのティーパーティー



※本編の第3章25話を読んだ後にご覧下さい。




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結人、セラン、ぜラスト、朝日奈の4人が会議をしている間、咲夜は親友でありライバルでもあるレネと別室でお茶会をしていた。



「久しぶりですね、レネ」


「そうですね、咲夜」


2人は改めて挨拶をすると、用意された紅茶をそれぞれ口に入れる。甘党である咲夜は少し多めに砂糖を入れる。

半分ぐらい飲んだあと、白いカップを机に置く。


レネと出会ったのは、軍に入隊してから1年ぐらい経った頃の事。お互い、過保護な父親を持ち、境遇が似ていた。

彼女の家も日本でいうところの古参家のような存在だ。

そのため気が合い、今日まで親友同士でいる。


「お元気そうですね、何よりです。私も最近はとても有意義な日々を過ごしております。」


「私はずっと戦場です。UCは私を休ませてくれないみたいです・・・」


「そうですか・・・」


自分の親友がこんなに頑張っているのに自分は何をやっているのか、少し考えてしまう。


「そんな顔をしないで下さい、咲夜。私たち『ゼロ艦隊』が進んでやっている事です。私たちは破滅級を討伐する手立ての無いのですから、このぐらいの事は気にしないで下さい。」


「・・・ありがとうございます、ネレ。」


これ以上は逆に失礼だと思い、咲夜は思い留まった。

確かに自分達はまだ成人していない子供だ。法律でお酒を禁じられていて、さらには結婚もできない。

しかし、同時に世界の希望であるS級魔法師でもある。

私たちは人類の唯一の希望であるS級魔法師の称号を持つ者としての義務果たさなければならない。


「聞きましたよ、学校に通っていらっしゃるんですね。学校とはどのようなところなのですか?」


「はい、とても有意義な生活をさせております。ただ魔法を学ぶのではなく、クラスメイトや仲間と一緒に楽しんでおります。」


「そうなんですか・・・私も通ってみたかったですね・・・」


「先生としたなら、通えるのでは、ありませんか?」


「それはいい案ですね!国に帰ったら試してみます!ところで咲夜、その後結人君とは関係が進んだのですか?」


「は、はい・・・///」


家族以外の誰かに聞かれたのは、あの出来事以降初めてで思わずテンパる。

気を紛らわすために、目の前の皿からチョコレートをとった。包み紙を開け、口の中に放り込む。


「咲夜!それは・・・」


「へ?」


親友を止める事ができず、レネはガックリとした。

咲夜はハイスペック完璧超人である。

魔法師としての強さは言うに及ばず、運動神経抜群で成績も学生のレベルを大きく逸脱している。その上努力家で、毎日魔法の鍛錬を欠かさず行っている。

そんな咲夜でも、2つの弱点が存在する。1つ目は結人、結人との結婚に関する話題を出すと直ぐに頭のネジが何本か外れ極度の興奮状態となってしまう。

2つ目はアルコールである。

嘉神家の代々お酒に強いが、エリーナと咲夜だけはとても弱い。

一口で理性を失い、暴走する。いつもの温厚な性格は闇に消え、極度の結人第1主義に転換する。


「らいらい(だいたい)、ゆいとさんが悪いんでよ?あの手この手を使ってアプローチしているのに・・・でも、あの時はすごくかっこよかったです!」


「へ、へ〜何があったんですか?」


全てを諦めたレネは話を合わせる。

こうなってしまったら専門家に任せるしかない。レネは茜に連絡を入れた。

それまでの間は自分で何とかしようと試みる。


「実は・・・ついに結人さんと一夜を共にする事が出来ました!」


「おめでとうございます、やっとって感じですね。」


会う度に相談されていたが、やっと彼女の夢が叶ったみたいで私も嬉しい気持ちになる。


「相談に乗っていただき本当にありがとうございました!」


「いえいえ、お友達ですから、これぐらいは当然ですよ、咲夜」


ふふふ、っとお互いに微笑み合う。

すると、向こうから先程呼んでおいた専門家がやってくる。


「あー、いたいた。久しぶり、レネちゃん」


「お久しぶりです、茜さん。」


茜とレネも幼馴染兼親友である。

昔はよくこの3人+結人で遊んだものだ。とは言っても遊ぶ内容は魔法で、とても子供の遊びとは言い難いものだったが・・・


「それで?妹ちゃんはどんな感じ?」


「暴走モードのハッピーパターンですね。」


「あーなるほど、最近結君と妹ちゃんは夜もお盛んらしいからねー。気持ちがオーバーヒートしちゃったのかな?」


「い、いえ、誤ってアルコール入りのチョコレートを食べさせてしまい・・・」


「了ー解!それじゃあ後はお姉さんに任せてレネちゃんは戻りな、もう少しで結君達の会談も終わるみたいだしさ。」


「分かりました、失礼します。じゃあね咲夜、また明日〜」


「うん!じゃあね〜レネ〜」


私は、2人の親友に別れを告げ、今回泊まらせてもらう摩天楼の65階へ向かう。

久しぶりにゆっくり?した時間がとれて大満足だ。それに、私の所属するゼロ艦隊には話し相手がぜラストさんぐらいしかいなくて退屈していたところだ。


「あの御二方は変わっていなかったですね。おそらくもきっと私に優しくして下さるでしょう。ふふふ、会うのが楽しみです!」



3人は親友であり、ライバルでもある。




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匂わせておいて申し訳ないですが、レネルートはありません。

本作品は咲夜一筋となっております。


ハーレム展開が読みたい方は、新作の「落ちこぼれと呼ばれた俺は真の実力を隠すどころか知らない」をみて下さい!

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