なんとなく冒険者
空飛ぶ魚
なんとなく魔王復活
なんとなく魔王復活・1
俺が思うに、魔王とは、力そのものだ。
俺達人間からすれば、魔物は対立する存在であるから、その長である魔王は邪悪であり、「忌むべきもの」であると見なす。
だがそれはあくまで人間の視点であり、魔王の本質はその絶対的な力である。
魔物の長。混沌を統べるもの。全てを掌握する力。あらゆるものに対する脅威。
そういった一つの力という存在こそ、魔王の恐ろしさ、見方を変えれば誇り高さなのだと思う。
だからこそ、俺は今、非常に困惑している。
「わしはもう嫌じゃあ……ぐすん。ひっそり封印されていたいんじゃあ……!」
俺と、仲間三人の呆然としている前で。
一体の魔王が、ぐすぐす泣きながら膝をかかえている。
『絶対の力』――そんな魔王のイメージが軽やかに吹っ飛ぶ光景。
そもそもどうしてこうなったのか。それには深い訳は特になく、ただ何となく、こうなってしまったのである。
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