不可能の宣告
今回は他と比べて短いが、インパクトでは負けていない。
楽しかった学生時代が終わりを告げ、日曜が定休日ではなくなり、現在のように休日が、本当にただ疲れを取るための日になり始めた頃の夢だ。
舞台は高校生活最後の、卒業式数日前と思われる時期で、自分以外の誰も居ないかつての教室に中年の担任教師が姿を見せ、ちょっと話があるんだと言われる。
担任の方を向くと、申し訳なさそうに彼はこう言ったのだ。
「悪いんだけど、きみ卒業できないねぇ」
その言葉の持つ重さがとんでもない絶望感として、自分の全身に容赦なくのしかかってきた。
自分が何も言えずにいると、最後に担任からごめんなぁと、実際の彼と同じ特徴的なしみじみとした口調で言われて、そのまますっと違う夢へ切り替わった。
なんとこの夢は、ほぼ似たような内容で四回は見た。
教室で担任から卒業が出来ないことを告げられるという流れが基本だったが、たしか一度だけ家の近くをのんびりと歩きながら、ああ、自分は高校を卒業出来なかったんだ……などと、ただぼんやりと思い続けるパターンも見ている。
四回目にもなると、もしかすると、実は本当に卒業出来ていないのではないかと不安になったが、その数日後、無事に押入れのダンボール箱から、あの証を見つけることができた。
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