第12話 ギフトの確認
クエストを達成してラフロイグのギルドに帰って来たディーノ。
「お疲れ様でした。こちらが報酬の大金貨一枚と金貨八枚になります……ってなんだか浮かない顔をしてますね。お姉さんがお悩み聞いてあげましょうか?」
「悩みじゃないけど確認がしたい。今日もステータス測定してくれ」
「おもしろ測定なら大歓迎です!さっ、行きましょう!あ、ただし料金は頂きますからね!」
ディーノは受け取った報酬から測定料として大金貨一枚をエルヴェーラに渡した。
測定室に入ったディーノはギフトを発動して測定器の石板へと乗る。
そこから読み取れたステータスをエルヴェーラが紙に記入していき、測定後に評価値を計算してディーノに渡す。
名前:ディーノ=エイシス
攻撃:2755
防御:2674
俊敏:3370
器用:2579
魔力:2358
法力:2124
評価値:118(S級シーフ)
「なっ、なんですかこれ!?シーフでこんな評価値初めて見ましたよ!?」
「これ今スキル発動中。この数値ならまぁアーマーウルフでも一撃で倒せるか……自分で見ても異常な数値だな」
「え?え?ディーノさんのギフトってパーティーメンバーのバフ効果じゃないんですか?」
エルヴェーラに話していいものか考えるディーノ。
しかしギルドに勤める以上は守秘義務が課せられており、冒険者との約束事にも口止めすれば誰にも話す事はない。
もし仮にその相手がギルド長や貴族だった場合でも同様だ。
ただし、犯罪が絡むとすれば別の話だが。
「これは誰にも話さないと約束してくれ」
コクコクと頷くエルヴェーラにディーノがギフトの性質について説明すると、納得といった表情で言葉を返す。
「では今後ディーノさんがパーティーを組む可能性は限りなく低くなりますね。もしパーティーを組むとすればクレリックかウィザードあたりでしょうか。属性武器を手にすればウィザードとも組まない方がいいかもしれませんけど……」
そうなるとソロのS級冒険者を続ける事になり、AA級やSS級のパーティークエストを受注する事ができない。
だが今はパーティーを組む気にならないディーノにとってそれ程大きな問題ではない。
いずれA級40以上のクレリック冒険者とパーティーを組めばAA級も受けられる。
そうそう見つかるとは思えないが仕方がない。
今はしばらく自分の本来のステータスでどこまで戦えるのか調べておくべきだろう。
しかし今のこのステータスを見る限り、どのジョブを選んだとしてもそこそこに戦える。
そうなるとやはり全てを試してみたくなるのが人間の性だろう。
まずは回復スキルを発動できない時点でクレリックは除外する。
法力に関してはディーノは自分に使用できないのだ。
ディーノの素早さを活かしたシーフを、攻撃に寄せるとすればセイバーだ。
セイバーに変更する場合にはダガーではなく剣を装備する必要がある。
今のディーノはダガーを予備を含めて四本持ち歩いているが、剣に持ち替えて二本を予備武器として持ち歩けばいいだろう。
次に防御。
防御には盾が最も効果的だが、武器で防ぐ技術を高める事でも防御は上がる。
これまでもモンスターの攻撃をダガーで受ける事も多くあった為、特に盾を買う必要もないだろう。
器用は弓矢に最も効果がありそうだが、ソロで弓矢を使用してもモンスターを倒す事はできない為今は必要ない。
ギフトを発動した素早さにも対応できるだけの攻撃技術が上昇すると考えれば武器を手に入れなくても恩恵はある。
そして最も気になるのが魔力。
エルヴェーラが言うように属性武器を購入すれば、ウィザード程とはいかないまでも様々な自然現象を引き起こす事ができる。
属性武器は驚く程に高額となるそうだが、今まで貯めていたお金を注ぎ込めば買えなくもない。
ここまでの考えから購入する武器は属性剣。
訓練してこなかったせいで剣の扱いはわからないが、ダガーよりも長い程度の剣であれば慣れれば問題はないはずだ。
そうと決まれば武器を購入しに行こうと思うディーノだが、ギルドを出る前にクエストを受注したい。
「今はソロでいいや。ところで報酬は安くてもいいんだけどさ、何かオレに向いてそうなクエストない?」
「ふふっ。ディーノさん向きのはたくさんありますよ。ほとんどが他のパーティーが失敗したクエストになるんですけど、S級冒険者のディーノさんなら何とでもなります!」
「あまり買い被られても困るけど」
「まずはこちらから〜。はい、またウルフなんですけどBB級クエストの【エアウルフ】討伐なんてどうでしょうか。他のパーティーの方々では近付く事もできなかったらしいんですよね〜」
エアウルフは風のスキルを使用する特殊なモンスターだ。
危害を加えない限りは人を襲う事はないのだが、家畜を襲い始めるとそこを餌場として居座り続ける。
畜産業を営む者達にとっては迷惑極まりないモンスターだ。
これまでに他のパーティーで失敗しているという事は相当な被害が出ているとも考えられる。
「最近お肉が高騰してる原因にもなってます」
「よし、受けるよ」
肉が高騰していると聞いてすぐに受注する。
もともと孤児院育ちのディーノは食べ物が高騰すると、院の子達の食料が少なくなる事を知っている。
もしこのまま高騰が続けば、今のわずかな食料さえも無くなってしまう可能性があるのだ。
放っておくわけにはいかない。
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【オリオン時のステータス】
実際には測定しませんでしたが全員強いです。
名前:ディーノ=エイシス
攻撃:917 常時
防御:890 常時
俊敏:2246+
器用:1718+
魔力:1572+
法力:708 常時
評価値:65(S級シーフ)
名前:ジェラルド=ウェイ
攻撃:1160
防御:
俊敏:316
器用:216
魔力:131
法力:51
評価値:64(S級ガーディアン)
名前:レナータ=ハインリヒ
攻撃:1392
防御:401
俊敏:387
器用:406
魔力:832
法力:
評価値:68(S級クレリックアーチャー)
名前:マリオ=グレッチャー
攻撃:
防御:334
俊敏:349
器用:467
魔力:232
法力:103
評価値:62(S級ファイター)
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