この想いを音にのせて

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この想いを音にのせて

あなたとの距離が星たちよりも遠くに感じる

月は照らしてるのではなく照らされているのであれば

私はそれにあやかる蜘蛛

薄暗い森の中であなたが来るのを待っている

来るものを拒めないのであればせめて夢をみさせてほしい

地獄のような世界に輝く星がきれいじゃなくても文句は言わない

ここが私の終の棲家であなたの帰るところはどこだろう

水面に映るは揺れ動く私

片時も止まれない心は何を想うのか自分でも分からない

過去も未来も全ては今が起点になっているのなら

私は過去に向かいたい

未来にあなたがいる保証などないのだから

暗がりの中声を震わせ呼ぶこの声

きっとあなたに届かないことでしょう


あなたの事を嘘つきだとは思わない

全てがほんとのこの世界が間違いなのだから

蝶のようにひらひらと舞うことが許されるのなら

私はあなたの口の中に入っていきたい

そこなら真実がみえるはず

そこで私が蛾だったとしても飲み込んでよね

それがあなたとの約束

そんな陳腐な日常でいいの

沈みゆく月を見ながら想う心は燃え盛り

日出と共に消えていく

私が生きる暗がりに明かりはいらない


吐き出す言葉が糸を紡ぎ

織り成す世界は私を弾く

弾かれた私は沈むように溶けていく

真新しい世界でまた会いましょう

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