残念スピード取りぷる
バイト休みのオフ。
ここのところ乗りっぱなし放置していたので、午前中に日々の通勤で気になっていた箇所に優先順位をつけて順番に整備していく。
先週結構激しい雨が降った日もあったので、まずはずっと気になっていた1番のプラグホールを確認する。
ここはニンジャの持病のようなもので、エンジン内部でカムチェーンの位置が跨った時の左、1番気筒側にある所為で雨の日にサイドスタンドを使って停めているとヘッドカバーにあるカムチェーンの壁が一番プラグを水没させるくらいの水溜まりを作ってしまう。プラグホールにはダストカバーがついているが浸水してプラグホール内に水が溜まることがある。
乗り始めて日の浅い頃。サークルで行ったプチツーリングの待ち合わせ場所で、エンジンの調子が悪かったので、プラグホールの水没に気付かないままプラグを抜いて火花確認しようとセルを回し水柱を上げたこともあった。今思うと良く深刻な故障に繋がらなかったよなと……。
シートとガソリンタンクを外す。プラグキャップをダストカバーごと抜き取ると、やはりプラグホールに水が溜まっていたので、ウェスである程度拭いてからパソコン機器用のエアダスターで可能な限り水気を飛ばした。
いつかはコンプレッサーが欲しい。
プラグキャップを外したまましばらく自然乾燥させる。その間に他の部分に着手。
チェーン調整とチェーンローラーの摩耗確認、ブレーキキャリパー清掃。しかしキャリパー清掃で力尽きたので、仕上げにスプレーワックスを吹き付けたウェスで車体を全体的に拭き上げて作業を切り上げることにした。
最後にプラグホールの組み付けだけど、ダストカバーに防水性能の高いグリースを薄く塗布するのを忘れないようにする。
他にも若干気になる所はあるけど、午前中で軽整備と着替えを終わらせて午後には家を出た。行き先は特に決めていない、バイクで走る事自体が目的だ。
心境的には悪代官様が日本刀をぽんぽんみたいなので叩いた後に切れ味を試したいとかそんな感じよね。
(私の)FCRにはチョークがない。なので加速ポンプと呼ばれる急なアクセル操作時のガソリン不足を補う機構を使って始動時のガスを濃くしてやる。何のことはない、セルを回す前にアクセルを1〜2回開けてやるだけだ。カションカションとキャブが音を出した後、セルボタンを押すと問題無く一発でエンジンがかかった。
アイドリングはやや不安定だがご愛嬌。数分もすれば調子を出してくる。ギアを入れ、クラッチを繋いでゆっくりと走り出した。
しかし、いつもは暖まってくると調子が戻ってくるアイドリングがいつまでも不安定なままだ。家を出て5分くらいは走った筈だが。念のため水温計も確認した。針はいつもなら調子が出ている辺りを指し示している。
少し回転を上げてみるとエンジンの振動と排気音が明らかにおかしい。すぐに近所のコンビニの駐車場に入りエンジンを停止する。
これは間違いなく一気筒死んでいる。タンクの隙間から手を突っ込み一番疑わしい1番プラグのキャップの差し込み具合を確認するが奥までしっかりと挿さっている。
エンジンが掛かり走れる内に家に戻った。
「さて、とね」ヘルメットを脱いで溜息の様な声を漏らす。
一度終わったと思った作業をもう一度最初からやり直す。なかなかテンションがついてこないけど、諦めて作業ツナギに着替える。
バイクに乗る前にライダースのジッパーをジリジリと上げていくと私の中のスイッチが切り替わる気がする。作業ツナギでは袖に腕を通す時がそのタイミングだ。
シート、タンク、プラグキャップと外していき、プラグホール内が完全に乾いているのを確認して、車載のプラグレンチを使いプラグも外す。
この工具だけは何だかんだとその車種についている車載が一番使い勝手が良いらしい。
火花がキチンと飛んでいるか確認するつもりで外したが、見るからに劣化している。点火せずに走ったのでガソリンで
プラグキャップにプラグを挿してエンジンブロックにプラグを当てる。セルを回して火花を確認するが見事に飛んでいない。何回かプラグを当てる場所を変えて試したが火花は飛ばず、プラグを持っている私の手にピリピリと電気が走ったりした。
つまりプラグコードもコイルも問題無く、プラグがダメという訳だ。
本来なら予備を用意しておくべきだが、残念ながら替えのプラグの手持ちはない。明日通勤出来れば職場にはプラグが売る程にあるので、とりあえずプラグ先端にパーツクリーナーを吹き付けて真鍮ブラシで碍子と電極先端に付着したカーボンを落とす。再度確認すると火花が飛んだので、念のため残り3気筒分のプラグも同様に掃除して組み付けた。
通勤時に発覚しなかっただけ良しとしないとなのだが、流石に今日はヘトヘトだ。
バイクの不調はメンタルに響く。
まだおやつの時間に差し掛かったくらいだが、今日はネットサーフィンをしながらダラダラとお酒を飲む休日にした。
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