007 1つ目の手紙

 私は書き慣れていないその手紙の文字を目で追う。ちゃんとした教育を受けていないせいか、書き間違えが目立つし、句読点もうたれていないので読みにくい。それでも私はなぜか読まなければいけない気持ちに駆られて1語1語、1句1句丁寧に読み進めていく。


 母さん


 突然いなくなてびっくりしたでしよ ごめんなさい 私はいまグライフの郊外にあるアスキン牢獄に拘束されている どしてここにいるのかわからない 何か悪いことしたと疑われているみたい きっと何もしてないてわかったらすぐに解放してもらえると思う なるべく早く帰るから待ってて


 愛をこめて   エステラ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る