僕の日常
勝利だギューちゃん
第1話
外は雨。
雨の日は、家で過ごす。
元々、インドア派。
家にいるのは、苦にならない。
「やすお。悪いけどお醤油買ってきて」
母の声がする。
即答する。
「謹んでお断りします」
こんな雨の中、子供を買い物に行かすなんて、鬼だ。
「やすお、ビール買ってきてくれ」
父の声がする。
「未成年だから、買えません」
「そっか・・・なら、リオに頼むか」
リオというのは、姉。
女子大生。
姉は、車を走らせて言った。
素直なことで・・・
「やすお。お砂糖買ってきて」
また、母の声がする。
もちろん、断った。
「やすお。デートしよう」
この声は、隣の幼馴染の、まほ。
雨の中でも、出かけていくアウトドア派。
物好きなことで。
幼馴染の女の子で、お隣さん。
ベタな展開だ。
美少女とまでは行かないが、かなりかわいいと思う。
それは、彼女の明るさか?
それに、不思議ともてる。
「説明終わった?」
まほが、部屋に入ってくる。
「ノックしろ」
「したよ。」
「聞こえてない」
「そりゃ、心の中だもん」
「俺は、エスパーではない」
「とにかく、デートしよう」
何とか、断るすべはないか?
「デートというのは、待ち合わせをして行くものだ」
「そうなの?」
「『ごめん、待った?』『ううん、今来たとこ』が、理想だ」
「ベタだね」
「ほっとけ」
まほは、考えている。
「じゃあ、10分後に、バス停で」
「どこへ行きたい」
「男が決めるもの」
「なら、連れて行って、『ここやだ』と、わがままいわないな」
「うん。言わない」
まほは、降りていく。
母と会話をしている。
女という物は、電話と買い物が長い。
なのに、気は短い。
あっ、電話ではないか・・・
おしゃべりにしておこう。
仕方なく、バス停に向かう。
少し、遅れて・・・
まほがいる。
「ごめん待った?」
「遅い。30分は待ったよ」
「俺の理想ではない」
「やすおの理想はどうでもいいの。とにかくおごりね」
そこへ、姉がビールを買って帰ってきた。
「おふたりさん、仲いいね」
「あっ、お姉さん。お久しぶりです」
「デート?」
「はい」
「楽しんでね。やすお、まほちゃんをエスコートするんだぞ」
へいへい
「私は、お父さんとお酒を酌み交わすわ」
「大学の友達は?」
「みんな下戸。なので、お父さんしかいない。まあ、楽しいけどね」
愛車を走らせて行った。
「では、やすおくん。今日は、どこへ連れて行ってくれますか?」
「水族館」
「やだ」
「動物園」
「やだ」
「映画鑑賞」
「やだ」
「森林浴」
「やだ」
・
・
:
・
「お散歩」
「OK。行こう」
雨が降っている。
相合傘になる。
このご時世、いいのか?
「これが、目的だったの?まほさん」
「はい!」
僕の日常 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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