第32話 オニンピック

 オニンピック……。


 それは4年に一度鬼族の国で行われる武闘大会。

 そこで優勝した者は、鬼族の国のルールを作ることができ、他の鬼族達はそれに従わなければならない。


 鬼族の町には必ず闘技場が設置されている。

 そこでは、町最強の者を決めるべく、毎日熱いバトルが繰り広げられていた。


 こうした鬼族の歴史からわかるように、どの町の鬼族達も力を求めるのに必死である。

 そして、力を手っ取り早く手に入れるのは、人族の血を吸収する事。

 血と言っても飲めばいいものではなく、交わる事で新たな生命を宿す事だ。


 人族の血といっても誰でもいいわけではない。

 巫女が一番分かりやすいが、特に精霊に愛されている者に限られる。

 両者が普通の者でも、生まれてくる子は精霊に愛されているかもしれない。

 故に沢山の人族を囲う事が重要なのだ。


 そういった背景から、鬼族の国では人族の文化が多く取り入れられている。

 特に剣や刀を多く使う鬼族達には、日本のサムライ文化が好まれ、時の覇者によってそれは国内全域に広まっていった、それが現在の鬼族の国である。

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