第18.5話 家にて
あれから家に帰ってきた俺はどうやら顔が死んでいたらしい。
「お帰りローラン。早かったわね、ってローラン!どうしたのその顔。」
「少し疲れただけだよ、、、本当に。」
「全然少しのようには見えないのだけれど?」
「大丈夫だよ、、、多分。」
そう答えたのにグランツェにはよほど心配だったのだろう。
「とりあえず、まだ早いけどお風呂に入ってきなさい。話はそれからよ。」
話さないといけないんだ、、、まぁいいけど。
「うん、先入ってくる。」
そう言うとグランツェはガーベラを俺に預けてきた。
「ついでにヨロシクー!」
絶対に許さん。覚えておけよ、、、
そう思いつつもガーベラを連れて一緒に風呂に入った。というか、ガーベラを俺1人に預けて怖くないのか?後で聞いてみよ。
「ええーっとー、、ガーベラ用のミニ風呂はどこだー?あっ、あったあった。じっとしててくれよ。」
そういうと本当にじっとしてくれた。
「ガーベラってまさか、、転生者?いやいや、そんなことはないだろう。女神様も数は少ないって言ってたし。それに仮にそうだとしたらステータスが低すぎるよな。まぁ、どうでもいいけどー。」
そうして、俺はガーベラをミニ風呂に入れながら勝手身体や頭を洗っていた。その間もガーベラは静かにじっとしていた。
なんだ、この生物?めっちゃ可愛いじゃん。この世界に転生してから過去一で癒されてんだけど?もしかして、名前はミカエルが正解だったか?この子、天使なんですけど、、
「ちょっとガーベラごめんね」
そう断りをガーベラに入れて俺は叫ぶ準備をした。
「ふぅっっっ!!ガーベラ、カワイイーーーーーー!!!!」
そう叫ぶと洗濯物を畳んでいたグランツェがダッシュで俺のところまで来た。
「ローラン!まだ夕方だけど近所迷惑よ。ガーベラがかわいいのは分かるけど静かにしなさい!」
怒られました。ただ愛を叫んだだけなのに、、しくしく、、、
そうして、俺も身体を洗ってからガーベラと一緒に(別の)湯船に浸かった。
「あ゛ぁ゛ーー、き゛も゛ち゛ぃ゛ーーー」
俺は過去一気持ちよくお風呂に入れているかもしれない。こんなに疲れたことはなかなかないからな!多分前世でもなかったかも、、
15分くらい今日の出来事について考えながら使った後ガーベラと一緒に風呂場を後にした。
「お母さん上がったよー。ガーベラに何かした方がいい?」
「それじゃあもう少ししてからミルクをあげてちょうだい。」
「うん、わかった。」
ガーベラのミルクを作るために俺はキッチンにガーベラを抱えながらキッチンに向かった。
ミルクを作っているとグランツェが「さっきの話はなに?」と、話を振ってきた。
やっぱ、聞くんかいな。
「、、、話っていうのはエールさんとレーネの話なんだけど、、、」
と、俺は今日あった出来事を大まかに伝えた。
もちろん俺がテストで全力を出さなかったことは秘密である。
「そんなことがあったのね、、それは難しいわね。」
でしょー。俺もそう思う!
「僕はレーネが慣れてくれるのが一番いいとは思ったけど、流石に今のレーネにそれを求めるのは酷かなって思ってエールさんにお願いしたんだけど、、、」
「それもダメかもしれない、、と」
「そういうわけです。」
(最終手段を残し)全ての手を尽くした俺にはもうどうすることもできない。
あとは当事者の問題だ。
打つ手が無くなった俺にグランツェは提案してきた。
「その案件、ローランの代わりに私がなんとかしてあげるわ。ローランには絶対に無理な方法でねっ。」
「なにそれ、、で方法って?」
「それはその時のお楽しみに〜。」
グランツェは少し楽しそうな表情を浮かべながらそう言った。
(そういうことは、親である私の仕事よ。)
「ん?今なんか言った?」
「何も言ってないわよ。本当に疲れているのね。早めにご飯にするわ。」
そう言って、グランツェはガーベラにミルクを飲ませている俺の横で夕飯の支度を始めた。
「さぁ、夕飯できたわよ。食べましょ食べましょ。」
バタン!という音が玄関から聞こえてきたのでそっちの方向を覗くとアレクスが帰ってきた。
「あれ?今日は少し早くないか?」
「今日はローランが疲れていたから早めに食べることにしたの。それに少しくらいいいじゃない。」
そうしてみんなで夕飯を食べた後、俺はやる事をすぐに済ませて自室に入った。
「、、、明日か。行く気もやる気も出ないな。」
そう思いながらも今日の溜まった疲れを取るために俺は早めに寝た。
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