平凡な人生を送りたいので全力でモブを務める
プロテクション
第1話 俺転生。微妙に優秀
20××年×月×日の放課後。高校3年であった俺は受験勉強のため少し前から通い始めた塾に行くところだった。ぼっちだった俺は一人で向かっていた。先日模試の結果が返ってきたが、目も当てられない結果になってしまった。勉強ができないとは思っていたがこれほどまでか、と落ち込んでいた俺は冗談まじりの独り言で「死にたい」って言葉をこぼした瞬間、目の前を走ってきたトラックが俺の方に突っ込んできて、俺はそれに反応出来ずに意識を失った。
気がつくと全然知らない場所にいた。近くに銀髪の女の人がいた。
「すみません。ここってどこですか?」
話しかけるのは少しハードルが高かったが、状況が状況だけにそうするしかなかった。
「ここは死後の世界です。あなたはトラックに轢かれて死にました。」そう説明された。
「あなたは?」
「私は轢かれてません」
「名前だよ!あと何者?」
コイツ、、ワザと言ってんな。
「私は女神です。名前は、、アルテミスです。あなたを転生させるためにここにおります。」
転生、か。よく見る展開だけど、最強になれたらいいけど、たまに最弱パターンもあるからな、、なんて考えていると女神様が「とりあえず、あなたの力でも見てみましょうか。」と言ってきた。
「ステータスって言うと目の前に自身のステータスが現れます。ステータスは転生後のものが映るので名前などは生後すぐに親から授かります。」
なるほど。
「ステータス」
ヴォン、という音と同時に目の前にステータスが表記された。
ステータス lv.1 名前なし
体力 9+なし
持久力 10+E
敏捷 9+なし
耐久 8+なし
魔力 27+D
状態耐性 50+C
知能 50+C
スキル 「闘争S」「隠密A」
、、、、、、なんだろう。
最弱よりは全然いいんだよ。だけどこれって、、、
「平均的ですね。」
ですよねー。知ってた。
ていうか、予想だけどスキルと能力がミスマッチすぎません?大丈夫?
「ですが、状態耐性と知能は高いですね。」
「どれくらい?」
「初期ステータス平均値が10で最初から30あれば才能あり、50あれば優秀って感じです。ちなみに勇者とか大賢者みたいなクラスで始まっていたら、全ステータス100以上で始まります。」
なるほど。俺はどうやら微妙に優秀らしい。
「スキルの方は大当たりといっても過言じゃないですよ。」
「ほんとですか!」
「はい。「闘争S」は体力、持久力、敏捷、耐久の能力補正値をSクラスまで引き上げられます。」
「Sってどのくらいなの?」
「能力補正値はEからSまであり、順に1、1.2、1.5、2、2.5、3倍のステータス引き上げの補助をしてくれます。なので「闘争S」を使うと3倍まで能力月引き上げられます。」
「制限とかはないんですか?」
「3分です。」
ふうーん。3分ねぇ。ん?3倍、強くね?
ガチでスキル当たりじゃん!
ん?でもちょっと待てよ。
「俺のステータス魔法使いっぽくなかった?」
「転生先は魔法使いの一族の家ですので。言ってませんでした?」
「言ってませんよ!てかもう一つの「隠密A」はなに?」
「それはあなたは前世でも常に使っていたじゃありませんか。」
コイツ絶対俺のことをバカにしてやがる。許すまじ。
「まぁ、それとなくわかったよ。」
「それと一つ言い忘れていたことが、、」
「なんですか?」
「特典として女神の私がスキルポイントを50差し上げます〜」
おおっ。マジか。ラッキー!
「まぁ転生者には皆与えているのですが。」
そのセリフさえなければ、もっと喜べたんだけど、、、
「というか、今、転生者って言った?」
「はい。人数は少ないですが幾人か転生させておりますし、他の女神も私と同じことをやっております。」
「なるほどね。その中には俺TSUEEEEも?」
「もちろん」
ですよねー。絶対いると思った。関わらないで生きたいな。
「それから最後に転生先の世界の説明もしておきますね」
と色々と向こうの世界の話を聞いた。どうやら向こうには科学がまあり発展していない代わりに魔法が役立っているという感じだった。
向こうの言葉がわからないかもと思っていたが、自動で言語が変換されるらしい。とても助かる。
種族とかも色々いるそうだ。獣人やエルフ、ドワーフや魔族など聞いているだけでも転生が楽しみだった。
ステータスの能力値を上げたらどんなスキルが手に入るのか聞いてみたけどそれはステ振りしてからのお楽しみらしい。(おそらくスキルを手に入れた後はスキルを使うことでスキルレベルが上がるのかな?わからないけど)まぁ、平凡で平穏でゆっくりと異世界を楽しもうじゃないか! そう意気込んでいると、「一ついいかしら」と声をかけられた。
「なんですか?女神様」
「スキルポイントどれに振るの?」
ああ、忘れていた。異世界のことばかり頭にあってスキルポイントのことを忘れていた。
その頃少し悩んだ末に俺は、、「全部知能で」っと言った。
「ふふっ、あなた面白いわね。なんで全部知能なの?」
「能力値上げた後に自動的にスキルを得られるのなら間違いなく最初は知能極振りでしょ。僕の予想では知能には魔法の類と鑑定などの特殊な系統のものがそれに当たるのかな?って思ったのと、転生だから赤子の時から色々なことが理解できると他のスキルや情報が得られると考えています。」
「なるほどね。でもスキルは能力値を上げたらもらえるって説明したはずよ。」
「ええ。ですが、おそらく知能を上げることで「習得速度上昇」みたいなのがゲットできると思うんです。それがもし手に入ればスキルは技を磨くことでもちゃんと手に入れることができる証明にもなります。入らなかったら入らなかったで、魔法使いの一族の家に産まれる僕がいきなり知能100もある状態だったらなかなかのものだと思いますよ。」
我ながらとてもいい熱弁だったと思う。これで間違ってたらかなり恥ずかしいけど。
「なるほどね。ほんとあなた面白いわ。」
「そうですかね?」
「まぁいいわ。では、面白いものも見たし、やり残したこともないし向こうに送るわね。」
「はい。お願いします。」
そうして転生の準備が整って送られる前に、「ひとつだけ」と言われたので、聞き返したところ、
「いきなり知能100もあったら怪しまれるかもしれないよ」と言われた。
やってしまった。そこまで考えが及ばなかった。
もうこうなったら仕方ない、なんとかする。
なんとかできるのかな?まぁいいや。
「それはそれとして、もう私から伝えることはありませんので、転生させますね。」
と女神様はそれだけ言って僕を転生させた。
ステータス lv.1
体力 9+なし
持久力 10+E
敏捷 9+なし
耐久 8+なし
魔力 27+D
状態耐性 50+C
知能 100+C
スキル 「闘争S」「隠密A」「習得速度上昇E」new「下級魔法」new「亜空間魔法E」new
「習得速度上昇」...スキルの習得期間の短縮
「下級魔法」...下級の魔法
「亜空間魔法」...別の空間を作り出す魔法。主に荷物入れが一般である。
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