第43話

「ねぇ、ねぇ。小春ちゃんと悠斗くんはどっちから告白したの?」


 弁当を食べ終え、まで時間が残っているということで、時間まで雑談などをしようということになった。

 一番最初に話題を振ってきたのは奈那子先輩だ。

 

「やっぱり悠斗くんから告白したの? 小春ちゃん可愛いからね~」

「違います、私から悠斗くんに告白したんです」

「え⁉ ま、マジで⁉」


 そう驚いたのは奈那子先輩ではなく、その隣に座る翔琉だった。

 そりゃそうだろう。こんな可愛い美少女が俺なんかに告白してくるなんて誰も思いはしないだろう。


「へぇ~、小春ちゃんから告白するなんて珍しいね~」

「そんな、珍しくなんてないですよ」

「珍しいよ~。だって小春ちゃんに告白してくる子はたくさん見てきたけど、小春ちゃんから告白したの一度も見たことないもん。小春ちゃんから告白したのってもしかしたら悠斗くんが初めてなんじゃない?」


 確かに小春なら自分から告白なんてしなくても沢山の人から告白されるだろう。


「告白したのは、悠斗くんが初めてです……」


 小春は奈那子先輩と翔琉の前で告白したことを言って恥ずかしいのか下を向く。


「小春ちゃんの照れてる所本当に可愛い。小春ちゃん照れ屋だもんね~」

「か、揶揄わないで下さいよ」

「ごめんね、小春ちゃんが可愛すぎるからつい揶揄いたくなっちゃった」

「私よりも奈那子先輩の方が可愛いですからね!」

「そんなことないよ~。小春ちゃんは私なんかより何倍も可愛いんだから」

「まぁ、まぁ。二人とも可愛いで良いじゃない」


 そう言って間に割って入ったのは翔琉だった。

 

「可愛いは人それぞれ違うんだし。可愛いと思えば可愛いんだよ」

「翔琉は私の事一番可愛いって思ってる?」

「も、もちろん……可愛いよ」

「なぁーに、その間。本当に思ってるの~?」

「お、思ってるよ!」

「あはは、冗談だよ~。恥ずかしがらなくても良いのに。私は翔琉の事一番好きだよ」

「ッ~~‼」


 翔琉は自身の彼女から急に一番好きと言われ、顔を赤くする。


「も~、翔琉まで顔赤くしちゃって」

「な、奈那子ちゃんが急にそんなこと言うからでしょ!」

「はいはい、ごめんね。揶揄いすぎちゃった」


 奈那子先輩は両手を口の前で合わせて翔琉と小春に謝る。


「それよりも悠斗くん」

「は、はい!」

「小春ちゃん、すごーく可愛いからいつ誰に狙われるか分からないからちゃんと守ってあげるんだよ?」

「は、はい。ちゃんと守ります」

「小春ちゃんをなるべく一人で歩かせちゃダメだからね~。特に夜中は危険だからね」

「はい、分かってます」

「翔琉も、私のことちゃんと守ってね」


 奈那子先輩は俺から翔琉に視線を変える。

 

「守るに決まってるじゃん」

「わー、頼もしいなぁ」

「奈那子ちゃん、本当に思ってるの?」

「思ってるよ~。自慢の彼氏なんだから。それにしても小春ちゃん、悠斗くんみたいな子がタイプなんだ~。どこに惹かれたの?」

「え、えーっと……」


 小春は急に話を振られて少し戸惑っている。

 

「あ、やっぱり言わなくても良いよ。また今度二人っきりの時にじっくり聞かせて」

「は、はい」

「本人の前じゃ恥ずかしいもんね」

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