扉
扉を開くと 風が吹く 強い風が
うすむらさきのにおいが さわやかに 身体にまとわりつき
私の髪まで 青へ あおへと染め上げられてゆくようだ
扉を閉める
闇が訪れる
星屑が まだらに私の周囲を散っている
この闇にいつまでも 浸っていられたら楽なのだろうけれど
私は風を受けて 扉を開けて
みどりの草原がたゆたう 昼の青空の
牛たちが 草をはむ
あかるい 現実を 歩くことを選ぶのだ
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