本 言葉

本を開く 


この世の人間関係のわずらわしさ 汚さに飽きあきしたとき


そこに待っているのは 言葉の本流である 


飲まれないように しっかりと 手綱を握って 


その流れに身を沈める 


作者が選んで書いた言葉 


ネットの海を漂うおりのような言葉よりも 


誠実で 確かな思いが込められている 


言葉の霧に身を沈めていると 元々あった黒い霧が晴れてゆく 


誰かが書いた手紙 それを束にしたもの 


私も生まれてから死ぬまでの間に どれだけの言葉と出会えるだろう 


どれだけの言葉を 残せるだろう 

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