間章
日記(2月7日/2月28日)
しまったな。心に結構きてる。うん、でも、望んでたことじゃん。切り替えないと。私はもうお姫様じゃなくて、魔女なんだから。
地道な調査活動のおかげで、彼は私が編入予定の青石高校にいることが分かった。運が良い。おかげで色々やりやすい。
私の正体がばれると拗れる。だから万が一のことも考えて、髪型も髪色も服装の趣味も変えてこう、キャラも変えてこう。髪を染めたり、スカート短くするのは恥ずかしいけど、うん良いでしょう。少女漫画のお節介キャラクターにこんな感じの娘がいたし、役割的にはばっちり、のはず。大丈夫かな? ま、転校早々にやることが一番恥ずかしいから、服装なんて些細なことでしょう。気にしたら負け、負け! ここまでするんだから、私の正体がばれるわけないよね。彼の中のイメージと正反対なんだから。でも、そもそも覚えられてるかな…………悪いイメージでも良いから覚えててほしいな、なんて考えは甘えかな。あんな酷いことをしておいて、覚えられてることを願うことすらしてはいけないことだよね。
よしっ。気持ちを切り替えよう。魔女としてやるべきことは定まった。止まってしまった王子様の物語を動かすために、王子様の中から裏切り者のお姫様を完全に消す。そのために王子様に新しいお姫様を用意する。それが私のやるべきことだ。
彼に会った時、私が突きつける(使うかどうかわからないけど)決め台詞は決めてる。
「アンタの恋愛、必ずハッピーエンドに導いてあげる!」
――ばれちゃったか。何事も上手くはいかないなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます