ただ道を往き、跡を追う
物心もつかぬ頃から寝ても覚めてもこれに打ち込んできたのだから、たかだか三、四年心血を注いだ程度の連中に負ける道理がない、と意地を張る反面、まだ経験は浅いが筋がよく腕も立つ新米が育っていくさまを見届ける嬉しさもある。これが道というものではないか。
なぜこの道を、と尋ねられても答えは無く。憧れの人は、と聞かれても浮かぶのはまだ見ぬ人の影。初めからこう在るものだと思っていたが、おもちゃで遊びたかっただけだったことがついこないだ倉庫の底で発覚した。初めからこうだったらしい。
教わった覚えはないのだが、教えるのは得意らしい。見て盗んできたもので、自分ではよく分からない。弟子にしてくれと煩くて、なら見て盗めと返したが、我慢ならずに講釈垂れた。今や彼の名は天にも轟く勢いだ。教職免許、取っときゃよかった。
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