君を忘れたくない

思い出ってやつが頭の中に残らない

写真を見ても海馬が空振る


名前を覚えるのも苦手だった

目の前の友だちの名前がわからなくて

ひんしゅくを買ったのは覚えてる


君のことは忘れたくないけど

多分いつか忘れてしまう

オレンジ色で、どこか葡萄色の雰囲気を纏っていた君


せめて、なにか、君のことを留めておきたくて


君を思わせる音楽を今日も聴いている

君を思わせる小説を今日も読んでいる

君を思わせる人をYouTubeで探してる


君を忘れたくない

君を忘れたくない

もう名前も顔も思い出せない

声すら消えて、その手の感触もなかったことになった

君を忘れたくない

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