最強を目指す男の話
だるま
第1話 プロローグ
少年は一人で、北陸一の暴力団、後楽組の本拠地に足を踏み入れた。
まず少年は火炎瓶を投げ込み、後楽組の組員を一掃。
続いてなんとか生き残った組員を次々に殴り倒した。
しかし、山口と名乗る男だけは、どんなに殴っても倒れなかった。
少年は山口の腹に蹴りを入れ、顔を踏みつけ、髪を引っ張り、目を潰し、顎を外した。
それでもまだ山口は倒れない。よろよろと立ち上がり、力のないパンチを繰り出す。
しびれを切らしたのか、少年は今まで使っていなかったナイフを使い、山口の腹に突き刺した。
山口はわずかに笑い、自らに巻きつけた爆薬に火をつけた。
炎に身を焼かれるも、少年は少しも焦っていなかった。少年は冷静に出口を探し、部屋から出た。
「な、何事じゃ!」
爆発の音を聞き、屈強な男3人が駆けつけてきた。
すぐに少年は見つかり、乱闘になった。
男たちはそのイカツイ見た目とは裏腹に、緻密な連携攻撃をしてきた。
1人の男の拳が少年の腹に直撃、続いて、2撃、3撃とすべて命中した。
少年は怯むことなくパンチを連発する。しかし、難なくかわされ、顎にアッパーを叩きこまれた。
膝から崩れ落ちたその少年は、どこか嬉しそうな顔をしていた。
男たちが近づいてくると、少年は勢いよく地面を蹴り、1人の男の首を掻っ切った。続いてもう一人の目をナイフで刺し、怯んでいるすきに首を切る。最後の1人は、怯えながら逃げた。少年は後を追い、後ろからナイフを突き刺した。
少年は最強を求めた。ただ一人の男を殺すために。
最強を目指す男の話 だるま @sanufute
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