第2話
「突撃隣の晩御飯~」
返り血を浴びながら声を張り上げる漫才師。床に倒れた男性の胴体と首を浴室に運び込むスタッフ達。
「青龍刀を使ったからあ、今日は中華料理です」
にっこり微笑むヒカリさん。天然癒し系のはずの彼女はどうしてしまったのか。
「斬っただけで料理になるわけないやろ」
ヒカリさんをたしなめる漫才師。典型的なテヘペロを見せる彼女。戦慄しか感じない。
DVD観賞を中断というか断念。吐き気がこみあげてきたからだ。
インターホンが三度鳴った。おや、DVDの世界。
「ノビノリさんご在宅ですか?」
ヒカリさんの声。間違いない、彼女はここに来たんだ!一瞬居留守を遣おうかとも思ったが、ドアを開けてフェイクファーコート姿の彼女を招き入れた。
「アポなし訪問ごめんねー」
玄関口で茶色のローヒールを脱ぎながら素晴らしい笑顔を見せる彼女。
「住所、教えましたっけ」
「うん前聞いたよー」
持ち前の明るさで僕の警戒心をほぐそうと試みるヒカリさん。でも住所は教えてない自信あり。
「あなたは、僕が思ってたような人とは違うようだ」
「あたしはドラキュラ伯爵の孫娘だって以前説明したじゃないですかあ」
座布団の上に座ったヒカリさんは小首を傾げ、弁解するように作り笑いをした。
その説明も受けた覚えは無いんだよな。
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