ジョー爺さんと孫

(*:孫のグレタです)


*「お祖父ちゃん、最近、調子悪いようだけど大丈夫?」


「おおぉー、グレタか。気遣ってくれて、ありがとー。でも、まだまだ元気じゃぞ。ほらっ、一人で立てるしー。」


*「一人で立てなくなったら終わりでしょ、お祖父ちゃん!赤ちゃんじゃないんだから。『おぉ、ジョーが立ったー!』って喜ぶのは丹下段平だけよ!」


「丹下段平? だれ、その人?」


*「『ジョー オブ トゥモロー』ってコミックの有名な登場人物よ!」


「そうなのか。そっちのジョーは足が悪かったのかい?」


*「違うわよ、ボクサーなの。足が悪かったのは、クララの方よ!」


「クララさんってのは、ジョーの恋人なのかい?」


*「そうじゃなくてね、クララはハイジの友達で、、、もー、めんどくさい!みんな、日本製のコミックやアニメの登場人物なの。お祖父ちゃんも興味があったら、引退してからでも見るといいわ!」


「そうかい。でも、『引退』なんて考えてないぞよ。わし、まだまだ元気じゃ。一人で歩けるし、演説もできるぞい、カンペ無しで」


*「そおねー、でもお祖父ちゃんは迫力が足りないのよねー。ただただ、『いいお祖父ちゃん』って、感じで、、」


「『迫力』かー。悔しいが、それについてはトランプ爺さん程はないからのー。しかもワシ、そんなキャラじゃないしな」


*「キャラじゃなくても気張ってもらわないと困るの!なにせ、全米兵さん達の命を預かってるんだからね。ウクレイナにも行かせるんでしょ」


「そうなんじゃ、ロシアの爺さんが言う事聞かなくてのー。あいつ、ちょっと体力あるからって張り切り過ぎじゃっての」


*「あのお祖父ちゃんも困ったものねー。『これは私のものだー』って、こだわりが強くてねー。年寄りは一旦、そうなると他人の言うこと、聞かないからねー」


「そうじゃろ。全く、あいつと来たら人の言うことに聞き耳持たんからのー」


*「年寄りはやだよねー」


「こらっ、グレタ、ワシを前にしてそれは無いじゃろ」


*「ごめん、ごめん。でも、あっちの事はイギリスのポリスさんが頑張ってくれればいいのにねー」


「そうなって欲しい所じゃが、やつも今は自分の尻に火が点いておるからのー」


*「フランスのマカロンさんは頑張ってくれたね」


「そうじゃな、奴はいいやつじゃ」


*「お祖父ちゃんも頑張ってね。なんにもしないとライス母さんに怒られるわよ!」


「それじゃ。おー、怖い怖い」


*「それと、私のお願いも忘れないでよね」


「はて、何じゃっけ?」


*「こらっ!『地球温暖化防止』でしょー!大事な事なんだから忘れないでよね!」


「冗談、冗談じゃよ、グレタ。ちゃんとパリ協定も復帰したじゃろ」


*「そうだけど、まだまだだからね。孫の願いは必ずかなえてね、お祖父ちゃん」


「はいはい、、、おー、怖い怖い、、、」



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