【漫才】米国大統領の話

ハリー

濁点の話



(漫才の会話です。 *:つっこみ担当さんです。)




*「アメリカ大統領選挙もやっと終わりましたね。」


「そうそう、お二人とも、選挙当日までがんばりました。」


*「バイデンさんは、応援演説も多彩でしたね。」


「そうですね、最終日にはあの、世界のレディ・ガガガガガまで登場しました。」


*「レディ・ガガさんね。すてきな歌で応援してましたね。」


「レディ・ガガガガガの名前の由来って、知ってる?」


*「レディ・ガガさんでしょ。由来ですか。知りませんね。」


「レディ・ガガガガガは本名じゃ、無いんですよ。」


*「それはそう思いますよ。芸名でしょ。」


「ならいいんですけど。レディ・ガガガガガの芸名は、クイーンってバンドのラジオ・ガガガガガから取ったんですよ。」


*「クイーンのラジオ・ガガって曲は知ってますよ。いい曲ですよね。でも、あの曲の歌詞はラジオ・ガガでしょ。」


「いいえ、ラジオ・ガガガガガで良いんです。」


*「そうなんですか? まあガガさんの由来は分かったんで、もう話題変えましょうよ。」


「いいえ、変えません。レディ・ガガガガガはね、人種差別とか弱いものいじめとか、大嫌いなんですよ。」


*「そうなんですか。」


「あなたも、昔、夏の夜なんかに私がガガガガガが嫌いなのを知ってるのに『ほらほらー』って、得意げに見せびらかしたでしょ。」


*「え?なんの事?」


「ほら、電灯の下なんかにいる、蝶々に似たあれ。」


*「ああ、蛾ね。そういえば、そんな事もありましたね。でも、いまはそんな昔話、止めましょうよ。」


「いいえ、止めません。私がガガガガガを嫌いなのを知ってるのに『ほらほらガガガガガだぞー。』って、顔の前に持ってきてさ。レディ・ガガガガガが聞いたら、きっと怒りますよ。」


*「古い話なんだから、もういいじゃないですか。止めましょうよ。」


「いいえ、止めません。」


*「なんで今日はそんなに私の言うことを聞いてくれないんですか、もう! 全く、我を張るのもいい加減にしてくださいよ! ん? 我を張る? 我が多い? それ?」


「えー、では次は、先般お亡くなりになった偉大なバババババーの話を。」


*「それ、漫才コンビの師匠のことでしょ。それはまずいですよ。」


「ではバババババイデンさんとドドドドドナルド・トランプさんの選挙戦の話を。」


*「また、その話ですか。もう、いいですよ。」


「いいえ、止めません。」


*「だから、もういいって。ここまでこんなしょうもない話を読んで頂いた皆様にお礼を言ってくださいよ。」


「ありがとうござざざざざいました。」


*「だからいいって。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る