(三)-4

 デニスは足の向きを小刻みに少しずつ斜めにずらしていって、体の向きを回転させていった。僕に背中を向けたところで止まった。その背中には、四角い筋が描かれていた。いや、溝が掘られていた。これが入れ墨というものか。

「入れ墨をいれているの?」

「そんなもの、していないわ」

 四角い筋のところがパカッと音を立てて開いた。扉になっていた。中にはデジタルモニターがあり、文字が書いてあった。

「私、アンドロイドなの」

「デニスさんはアンドロイド!」

「このことは内緒よ」

「内緒? 秘密って事? 誰にも言ってはダメ?」

「そう、内緒」



(続く)

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