(二)-7

「あなたー、ご飯よ」

 ママの大きな声で、キッチン脇の廊下から背広姿のパパがやってきて、席についた。

「昨日は学校どうだった?」

 ママがエプロンを外しながら席についた。

「友達ができた」

「本当に?! すごいじゃない」

 ママの顔を見た。ママは笑顔だった。つまり、僕は褒められたのだ。友達ができることは良いことなのだ。

「じゃあ、今日もお勉強、がんばってきなさい」

 食事を終えると、僕は自分の部屋に戻った。

 ベッドに乗っかった。デスクの上のVRヘッドセットをとって自らの頭に被せた。電源ボタンを押した。そしてベッドに寝転んだ。

 視界に学校の正門が見えた。


(続く)

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