(一)-2

 そして今再び、キッチンから戻ってきたママが、トーストとブロッコリーがすでに乗っている三枚目の皿に目玉焼きをフライパンから滑らせた。

「あなたー、ご飯よ」

 ママが大きな声を出した。

 キッチン脇の廊下の方からパパがやってきた。背広姿だ。これから仕事というのに行くのだろうか。

「サム、何しているの? 早く食べないと遅刻しますよ」

 遅刻。そう遅刻してしまう。何に?

「今日は初めて学校に行く日でしょう。初日から遅刻するわけにはいかないでしょう」

 そうだ。僕は学校に行く。学校という教育機関で学習を行う。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る