詩
Masumi Manyama
第1話 望郷
遠いビルの谷間から陽が登る
眼下に広がるなだらかな草原が橙色に染まり
国立海洋博物館の壮大な白磁の建物の上から
エルベ川の河面がキラキラと光を反射している
おまえはあの土地を照らしたか
その輝く眼でさがし出してくれ
私の魂の属するあの土地の 私の魂の属するあの人たちが
つつがなく無事であることを
遠く離れたあの土地の あまりにも無残で恐ろしき知らせを
遠く離れたこの土地で 半日も後に聞くことになるとは
同じ大地に生きているのに
同じ時間が流れているのに
この空はつながっているのに
すぐに駆けつけられぬこの焦燥
嗚呼 上りくる風よ 北風よ
私をその腕に抱き 連れて行っておくれあの土地へ
疾くこの身を引き裂き 連れ去ってくれあの土地に
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