第47話 悔恨
日付が変わるころ最上隊長から全員に集合するように無線が飛んだ。
時計を見ると0時15分
ここから、瞬と凛は8時間休憩、陸海警備の4人は最上隊長と近藤、加賀副隊長と山田に分かれ先に最上隊長の班が4時間休憩、その後加賀副隊長の班が4時間休憩となる。
休憩の合図が出た瞬間凛が瞬に抱きついた。
2人きりにさせたいところだがどんな危険があるかも分からず、最上と近藤の近くに寝袋を出して4人集まって寝る。
瞬以外の男性がいることに抵抗を感じる凛だが、一日中歩き通しだったこともあり眠さに勝てず瞬のジャージの袖を持ったまま熟睡してしまう。
近藤は5分も経たないうちに熟睡したようだ。
最上は近くにランタンを点けてタブレットを見ている。
「GPSが機能していないんですか?」
「そうですね、地図アプリは開きますが」
「それでは正確な現在地は分からないということですか」
「はい、そうなります」
瞬と最上隊長がタブレットを挟みながら会話をする。
瞬はくっついている凛を起こさないようにできるだけ寝袋から動かない。
最上隊長が指したのは東京都あきる野市付近だ。
恐らくはその地下に現在いると予測していた。
もう7月だというのに夜はぐっと気温が下がる。
瞬は時々凛の方をみて頬をなでる。
「このまま真っすぐに丹波川村へ続いているとすれば本日の22時くらいには着くはずです」
「はい・・・」
瞬は亜香里のことを考えていた。
自分が始めた研究の結果犠牲者が出た。
最愛の凛をはじめとして陸海警備の人も現在危険に
最上隊長にお詫びをすべきなのかもしれない。
ただ、隊員を死なせてしまったことについてなんと詫びればいいのか。
また、最上隊長からすれば部下を死なせたのは自分の責任ということになるだろう。
そんなことを考えつつも、真島さんという美人で優秀な女性の命とその未来を奪ってしまった責任は負わなければいけないだろう、法的にそれを負うのかは分からない、それでも瞬は自分の責任を重く受け止めていた。
瞬がそんなことを考えていると察してか最上隊長が寝ましょうと声をかけてくれた。
瞬は寝袋に入り凛の手をぎゅっと握る。
そして、いつの間にか深い眠りに落ちていった。
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