第46話 このみ副隊長


  6本のビームライトが地下通路内を照らす。


 マッサージと十分な休憩もあり瞬と凛はだいぶ体力が回復していた。


 陸海警備の4人もさすがというべきか30分の休憩のみで回復している。


 今日はこの後日付が変わるころまでは歩き続ける予定だ。




 加賀このみ


 副隊長


 加賀は32歳になる。


 身長は170センチと女性としては高い方で胸も大きくボディラインも美しい。


 それでも結婚はしてなかった。


 元々結婚や子育てなどといったことに大きな意味を感じることができなかった。


 結婚しないもう1つの要因としては既婚者を好きになってしまうことであった。


 条件のいい独身男性から言い寄られることも多々あるが、興味が湧かない。


 26歳の時20歳年上の男性と肉体関係を持ったところからだろうか、既婚者ばかりを求めてしまう。


 セックスの時に奥さんや子どもの話をわざとさせる。


 それが興奮した。


 大事な家庭があるのに自分の肉体に溺れている男性が愛おしく思える。


 最上隊長ともそういう関係だった。


 もう何年になるだろう。


 どちらから誘うでもなく、お互いに分かっていた。


 本社ビルの女子更衣室に最上を呼び込んでセックスしたこともあった。


 このみからそうしようと誘ったのだ。


 深夜3時であったし誰も入ってくるはずはなかった。


 それでも、2人ともばれたら解雇になる、などとスリルを味わってすごく興奮したのを覚えている。


 このみが最上とセックスするときはいつもスーツ姿だった。


 最上の手がスカートをめくる手つきがいやらしくてぞくぞくする。


 若くして課長となり、きれいな奥さんと小さな子どものいる最上。このみからすれば絶好のごちそうであった。



 このみは、地下通路で少し後ろを歩く最上隊長を見ながらゾクゾクしていた。


 ここで最上とセックスできたら、などと妄想していた。


 それでもこのみの顔は端正なまま崩れたりはしないのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る