(二)-18
「ビアージョ?」
「そうだ、ビアージョ・ピエッティだ」
「ああ、数年前ここにいたあの変なおっさんか。それがどうした」
「僕は父を探しに、ここに来たんだ!」
「何言ってるんだ。コルシカで俺のところへ来るように言われたんだろう」
「そうだ」
「それならあっちの支部長の手紙を持っているか」
僕は背負っていた鞄から手紙を取り出した。蝋で封緘してあるものだった。
ジーノは手を離し、僕の手からひったくるように手紙を受け取ると、その表と裏をまじまじと見た。するとジーノは奥のカウンターの所に行き、男性に「支部長を呼んできてくれ」と手紙を渡した。
(続く)
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