第10話〜兄弟、王都を発つ〜
アビスドランを討伐してから二日。
俺は城に呼ばれていた。
と言うのもラギルが
「エンシ殿が襲われたのはコイツが仕組んだ事。即刻断罪すべきです!!」
とか言い出したからで、俺からすれば意味が分からない。
つまり宵森の蛮鮫は俺が呼んだ者で、騎士に取り入る為にエンシを襲わせてそこから助け出したのだとラギルは言っているのだ。
「んな事する訳ねぇだろ!!」
「そ、そうよ!!ハヤテはそこまで考えられる程頭良く無いんだから!!」
「おい!?」
「あ、ごめん。口が滑った」
「フォローになってねぇよ」
ミナモの言葉にツッコむが、確かに俺はそこまで学がある方じゃ無いので強く言えない。
「のうラギル。この
「奴等がそう証言している。疑いようの無い証拠だ」
「言わせられている可能性は?」
「無くは無いが、信じて良いだろうと思っている」
「その根拠は?」
「ふん。証拠だってその内出て来る。今に……」
そうラギルが言った時だった。
部屋の扉が勢い良く開け放たれたのだ。
しかも、蹴りで。
「何だ騒々しい!!」
「ロウエン。今は」
「悪かったな。そこのオッサンが言う、証拠って奴を持って来てやった」
見張りの騎士達の制止を振り払って来たのだろう。
両手を赤くしたロウエンはズカズカと部屋に入ると持っていた物をテーブルに叩き付ける。
「これは?」
「あの鮫野郎。律儀にお前からの文をとっていたぞ」
「何?どう言う事だ、ラギル!!」
「ふん。その文を私が書かせたという証拠は無い。そこの小僧が私に罪を被せる為にそう」
「そう言うと思ったぜ。おい、入ってくれ」
ロウエンの言葉を受けて新しく誰かが入って来る。
ローブを着た女性。
理知的な印象を与える。
柑橘系のフルーツを思わせるオレンジ色の髪にカラメル色の瞳の女性。
「な、何故彼女を」
彼女は王宮に仕える魔導師。
その中でも
「彼女は読心に長けた術使い。こう言う時にこそ出番だと思って連れて来た。頼めるか?」
「はい」
ロウエンの言葉に頷き俺もラギルを交互に見た後魔導師は
「では心実の声を聞かせていただきます」
両手を軽く合わせて目を閉じる魔導師。
直後、俺とラギルの後ろに鳥が現れる。
「では、どちらがエンシ様を襲う様に仕組んだのか。話してください」
スッと透き通った声による指示が飛ばされる。
どちらの鳥が口を開くか。
はたまたどちらも話さないか。
その場にいる全員が鳥達が発する言葉を待っていると
「私が呼んだのだ」
と、ラギルの方の鳥が話したのだ。
「な!?」
それに一番驚いたのはラギル本人だった。
「私が部下に命じて彼等を呼び、エンシを襲わせたのだ」
「だ、だまれ!!」
「だってエンシが欲しかったから〜!!」
「こ、これは嘘だ……嘘を言わせているに違いない!!」
「失礼な!!それは王宮に仕える私に対する侮辱に値します!!」
「っ!!……だが私は」
ラギルは反論しようとしたがその先の言葉が紡がれる事は無かった。
硬く握り締めたジンバの右ストレートがラギルの鼻っ柱に叩き込まれたからだ。
「口を閉ざせラギル!!この恥晒しが!!」
「おごっ!?じ、ジンバ貴様!!」
「口を閉ざせと言っている!!騎士の誇りを捨てたド阿呆が!!」
鼻を押さえながらジンバを見上げるラギルに迫るジンバ。
「貴様の功績を称え、例外的に我等と対等の立場を与えられておきながらなんだその様は!!先代の王に顔向けできるのか!!」
「き、貴様には関係」
「大有りだ馬鹿者!!あの時の王に私も進言した。お前の功績は素晴らしいものであると。だから褒美をと!!」
「ぐぁっ!!」
「それを貴様は!!……友である私の言葉を受け貴様に褒美を与え、我等と同じく騎士の長としての立場を与えた王に謝れ!!」
「ごふぁっ!!」
「……先代の王に、私は謝らなければならない」
「ぐっ……ぅっ」
「コイツを牢へ連れて行け。頼む。私が剣を抜く前に連れて行ってくれ」
「は、ハッ!!」
ジンバの命を受けラギルの両脇を抱えて部屋を出ようとする騎士。
「離せ!!一人で歩けるわ!!」
その騎士を振り払い、部屋を出ようとするラギル。
だがジンバは
「私が命じた!!連れて行け!!」
「は、はい!!」
ジンバの怒声に頷き、慌てた様子でラギルの両脇を抱えて部屋を出て来る騎士。
「全く……」
苦々しげに吐き捨てるとジンバは俺の方を見てただ一言。
「すまなかった」
俺に頭を下げ、彼は部屋を出て行った。
「…さて、主の疑いも晴れた事だし。行くか」
「お、おう。そうだな……助かったよ、ロウエン」
「主を救うのに理由は無い。礼には及ばんさ。それとミナモ」
「な、何よ……」
「ナイスフォローだった」
「でしょー」
「おい!?」
結局誰一人俺のフォローをしてはくれなかったのだった。
「悪かったって〜」
「いい加減機嫌直してくれよ主」
「別に怒ってねぇよ……」
集会場に戻った俺は窓際に座って外を眺めていた。
怒ってはいないし機嫌も悪く無い。
ただちょっと気持ちの整理をな……
「ねぇってばー」
「だぁーっ!!分かったよ!!機嫌直すからしつけぇよ!!」
「あ、元気出たね」
「こいつ……」
「まぁまぁ主。落ち着けって」
「……はぁ。俺も悪かったよ。俺も」
「分かった分かった。俺達も悪かったよ。ほら、これで良いか?」
「…うん」
「ま、今回のは災難だったな」
「災難で済ませられるレベルかよ」
「まぁまぁ」
当然だ。
濡れ衣を着せられかけたんだ。
「まぁ、そんな事を考えてたのはアイツだけみたいだしよ。ジンバに聞いてみたが、ちゃんと罰するって言ってたからそこはアイツに任せてやってくれや」
「…分かってるよ」
「……なぁ主」
「ん?」
「気分転換代わりといっては何だが、王都を出ないか?」
「…急だな」
「まぁな。王都に留まれば今回の事を何かの拍子に思い出すかもしれん。それは主としても良い事では無いし、共に過ごす俺達にとっても良い事では無い」
「それはそうだが……」
「いや、別に無理にとは言わん。ただ、ここを発つのには良い理由かと思ってな」
「…発つ必要があるのか?」
「前にも言っただろ。仲間を増やせと。ここにいても作れる仲間には限界がある。なら、王都を出る必要があるだろ?」
「……それもそうだな」
「じゃあ、行くか?」
「おう!!行こうぜ!!」
「やっと元気になってくれた」
「おう、悪かったな。ミナモ」
「んーん。平気だよ」
ニコリと笑うと向かいに座るミナモ。
「じゃあさ、次はどこに行く?」
「そうだな……南に行くか?」
「南?何かあるのか?」
「水の都と呼ばれる街があってな。一度行ったが良い所だったんだ」
「へぇ〜」
「それに確かこの時期に祭りがあるんだが、あれは一度は見ておいた方が良い」
「そんなになのか?」
「あぁ。見ておいて損は無い」
「そんなになのか……よし、じゃあ水の都に行こう」
「よし、そうと決まれば。馬車でも借りるか」
「え、遠いの?」
「まぁな。水の都アクエリウスまで歩きだと地味にかかるのでな。フーの背中に全員乗れれば良かったのだがな…」
「まぁ仕方ないさ。で、いつ出発する?」
「そうだな……善は急げとも言うし、今日出るか。幸い、荷物は少ないしな」
「おう。そうと決まれば」
「じゃあ私は受付に話してくるね〜」
そう言うや部屋を出て行くミナモ。
「……じゃ、俺達は荷物を纏めようかねぇ」
「そうだな」
そこから荷物を纏めたのだが、新しく購入した容量の大きい収納袋に用途別に入れるだけなのですぐに終わり、一時間もしない内に俺達は集会場を出たのだった。
「さて、じゃあさっきも言ったけどアクエリウスに向かって出発だな」
「おう」
「お祭り楽しみだねー!!」
「ウグァル!!」
すっかり俺達に慣れたフーもニイッと口角を上げて笑っている。
多分子どもはビビるだろうが、俺達にはこの表情はフーも楽しみで仕方ないという表情である事を知っている。
今ではちゃんと指示も聞くようになったのだ無闇に噛み付こうとする事も無くなった。
そんなフーのリードをミナモに任せ、必要な物を買い足して馬車乗り場へと俺達は向かった。
「ん、ん〜……よく寝た〜」
「ほら〜カラトも起きて〜」
「…ん、おう」
多分シャワーでも浴びているのだろう。流水の音が聞こえる。
「ねぇ、今日はどうするの?」
「まだゆっくりする〜?」
「……いや、そろそろ動こうと思う」
そう言ってベッドから降りて服を着替える。
「え〜、動くのー?」
「セーラ、俺は勇者だ。魔王を倒さなければならないんだ」
「でーもさー」
「……聖剣だってまだ手に入れていない」
「えー」
「…えーじゃないよ。セーラだって一緒に来てもらっている以上、一緒に戦ってもらう」
「分かってるけどさー」
「…ビートルの洞窟では悪かったよ」
「その事は良いよ。ハヤテもいたんだし、驚いたんだよね」
「……」
セーラの言うハヤテとは俺の双子の弟だ。
金髪の俺とは違い緑の髪をしている。
誰よりも足が速く、村一番の俊足と言われていた。
俺が代々勇者達がその身に持っていた痣と同じ物を持っていた事が分かり、今代の勇者と言われてからも
「俺も兄貴と一緒に行くよ!!」
と屈託の無い笑顔で言っていた。
よくよく思い返してみれば、俺が勇者の痣を持っていた事が分かったその時から全部狂い始めたんだ。
俺達が生まれる前夜、母さんは夢で天使様によるお告げを受けたんだ。
産まれる子達は勇者となると。
そして産まれた俺達。
父さんからも母さんからも俺達は愛情を受けてすくすく育ったのだが、俺達は父親の顔を知らない。
というのも俺達が産まれてすぐに、俺達が暮らす村の近くに魔物が現れたのだ。
その魔物を退治する為に村中の男が向かったのだが、当然その中に父さんもいた。
結果魔物は去ったのだが、退治に向かった者が数名帰って来なかった。
そしてその帰って来なかった者の中には俺の父さんも入っていたのだ。
ただ言っておくが、父親の顔を知らないのは俺達だけじゃない。モーラだって知らない。
それから数年後。
俺達が15歳になった時、俺は帝都に行った。
帝都とは王都の隣にある都の事だ。
そこで俺は皇帝と共に街の見回りに来ていた、鑑定スキルを持った皇帝配下の術師に俺が勇者を継ぐ者である事を告げられた。
その事を母さんに伝える為に皇帝は使者をカザミ村に送り、母さんに我々帝都にサポートをさせて頂きたいと願い出、母さんもそれを承諾した。
それから俺は慣れない帝都でするよりは慣れ親しんだ村でする方が良いだろうと村で勇者としての鍛錬を積んだ。
帝都から来た騎士に剣と馬の乗り方を教わり、術師に魔法を教わった。全ては魔王を倒す為に。
そんなある日だった。
俺が18歳の時。
その日は数少ない休みの日。
俺は野原に寝転んでノンビリと過ごしていたのだがそんな俺のもとにセーラがやって来たのだ。
「今日はお休み?」
「ん?……まぁな」
「良いの?」
「騎士さん達も休まなきゃだからな。良いんだよ」
「そっか。なら良しだね」
「お前こそ、ハヤテと一緒じゃなかったのか?」
「え〜?だってハヤテ、走ってばっかじゃん」
「……アイツまた」
当時俺が勇者である事は村中が知っており、ハヤテはハヤテで
「兄貴の足手纏いにならねぇように鍛えてんだ!!」
と走り込んでいたのだ。
「彼女をほったらかしするなんて……ごめんな」
「んーん。いーの」
「何で?」
「…カラトとお話ししたかったから」
そう言ってクスリと笑うセーラは可愛かった。当時既に彼女はハヤテと付き合っており、将来も約束していた。
「お話しって…」
「だってカラト、忙しそうだったじゃない?話せる時間減っちゃって寂しかったんだよ?」
「それは……仕方ないだろ」
「うん、そうだよね。仕方ないよね」
そう、当時は勇者としての鍛錬に一日のほとんどを使っていたのだ。
でも俺は魔法はすんなり習得できたが、剣に関しての飲み込みが遅かったのだ。
その結果村の人達からは勇者なのに剣もまともに覚えられないと言われ、やっと覚えても勇者だから当たり前と言われてしまっていたのだ。
「カラトは頑張っているのにね……」
「……おい」
そう言って寝転んでいた俺の頭をそっと撫でるセーラ。
「お母さんからの期待も重くて」
「……やめろよ」
彼女の手を払い除けて立ち上がる。
そう、母さんは母さんで勇者の母親だからと鼻高々に周りに話していた。
母さんはそれが俺の重荷になっているなんて気付いていなかったようだけど。
「……カラトは頑張ってるよ」
「だから……やめろって」
後ろから俺に抱きつくセーラ。
ハヤテと彼女が付き合うようになってから俺は彼女から少し距離を取っていたので気付かなかったが、既に彼女は女性になっていた。
「……カラトが頑張っている事、私は知っているよ」
「…セーラ。誰かに見られたら」
「平気だから。誰も来ないから…」
「でも……」
そう言って彼女を手を引き離そうとするがセーラはその腕に力を入れる。
「私がしたいからしているの……」
「……セーラ」
「私が、私が褒めてあげる」
「…は?」
「みんなが褒めてくれない分、私が褒めてご褒美をあげる。だから……」
「っ……やめろよ!!」
「きゃっ!?」
彼女の手を乱暴に振り解く後ろで転んだのか小さな悲鳴をあげるセーラ。
「……ごめん。でも」
「…嘘、じゃないよ。ご褒美、あげるよ?」
「………簡単に、言うなよ」
「え?」
「じゃあ何をくれるんだよ!!何を褒美にくれるんだよ!!聖剣でもくれるのか!?それとも聖弓か!?何をくれるんだよ!!」
「…それは」
「嘘じゃないだ?嘘じゃねぇか!!」
「嘘じゃないよ!!私に出来る事なら……」
「……お前に出来る事?」
「う、うん……」
「じ、じゃあ……お前で慰めろよ」
「……え?」
「だから、お前のその身体で慰めろって言ってんだよ。その身体を褒美として俺に差し出せって言ってんだよ!!」
言っていて最低だって分かっていた。
これなら断るだろうと思っていた。
でもセーラは
「分かった」
ただ一言言うと立ち上がり、俺の手を引いて村外れにある小屋に入った。
そこで俺はセーラを汚した。
ハヤテがまだなのに。
俺達が小屋を出たのは夕方ぐらいだった。
「……セーラ」
「ん?」
「ごめん……その、俺」
帰り道、俺は生きた心地がしなかった。
この事をハヤテにバレたらどうしようと、その事だけが心配だった。
が、セーラは
「んーん。ご褒美あげるって言ったの私だから。気にしないで」
「…う、うん。ありがとう」
「じゃ、私行くから。勇者の訓練頑張ってね!!」
「あぁ、ありが……」
お礼の言葉は最後まで言えなかった。
背伸びをしたセーラが唇を重ねたからだ。
「…せ、セーラ?」
「ふふっ。勇者様へのご褒美だよ。頑張ってね!!」
何でこんな事をするのかは分からなかった。
が、それから俺は事ある毎にセーラにご褒美を要求した。
ある時は林の中で。
ある時は小屋の中で。
またある時は俺の部屋で。
「が、頑張ってるもんね!!カラトは偉いよ!!」
「そうだ……俺は頑張っているんだ!!なのに、なのに何で俺じゃなくてハヤテばかりが褒められる!!何でだよ!!」
「うっ、く!!ほ、ほら、私はちゃんと見てるからね」
「あぁ、お前だけだ。お前は俺を見てくれる……村の奴らとは大違いだ」
たいした事をしなくてもお兄ちゃんの為に頑張って偉いなーと褒められるハヤテ。
そんなアイツを見ていると俺の中にドロリとした黒い感情が湧き上がってくる。
次の週もセーラを小屋に呼び出してご褒美を要求した。
そんな事を繰り返している内に、俺はハヤテに対して優越感を抱いていた。
ただ褒められるハヤテと違い、俺にはちゃんと見てくれている
しかもその相手は何とハヤテの彼女で、ご褒美として何度も堪能させてもらっている。
その事実がハヤテに対しての優越感を増大させていき、気付けば俺はハヤテに対して愚弟と呼んでいた。
走る事しかできない愚弟。
女を取られているのに気付けない愚弟。
村の奴等に褒められただけで喜ぶ愚弟。
愚弟の顔を見るだけで俺は優越感に浸れた。
そんなある日、カザミ村の周辺一帯を治める領主の屋敷でパーティーが行われたので、勇者として同伴者にセーラと愚弟を連れて行った。
その時、槍と魔法が使えるとして領主の娘のヒモリを紹介され、よければ一緒に連れて行ってあげて欲しいと頭を下げられたので俺はそれを了承。
その日から俺に対する扱いは変わった。
村の奴等は俺を褒め称え、敬った。
パーティーの時に可愛いと褒めたモーラとエラスも一緒に旅に行きたいと言って来た。
エラスは俺が勇者としての鍛錬を始めた当初から時々差し入れを持って来てくれていたシスターで回復系の魔法を習得している。
こちらから誘おうと思っていたのだか、向こうから来てくれたのなら好都合だ。
モーラは愚弟の相談相手になっていたのをよく見かけた。
真摯に相談に乗っているその様子から、ただ善意から相談に乗っているのではない事は薄々勘付いていた。
が、どう言う風の吹き回しが俺と一緒に旅に出ると言い出した。
まぁハヤテもその時は一緒だったし、それ狙いだったのかもしれないが……
翌月に俺はハヤテを村に残し、エラス、セーラ、モーラ、ヒモリと共に旅に出た。
その後、村に置いて来たはずのハヤテに再会するがあの愚弟には仲間ができていた。
それも、俺よりレベルが上の仲間が。
(何故だ……何故アイツに!!)
悔しかった。
俺だって努力しているのに、勇者だからやって当たり前と切り捨てられ、できなければ勇者のくせにと言われた。
勇者勇者勇者。今となってはそれは俺にとって呪いの言葉だ。
ならば良いだろう。
その呪いを受け入れてやろう。
お前等が満足する結果を出してやる。
その為にまずは……
「アクエリウスへ行くぞ。あそこには聖剣があるからな」
勇者としての必要な聖装。
その一つである聖剣を手に入れる為に、俺は王都を発つ事にした。
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