後編 女王で女王なイリスちゃん

 後編 女王で女王なイリスちゃん

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「あら、ぴったりね」


 私の母親は、隣国の王家の血筋。

 公爵家と隣国王家の密約、その人型の契約書のような形でやってきた人物だ。

 さて、契約書はそれだけでは効力を発揮しない。

 契約書には、サインをして初めてそれが効果を発揮する。


 母と公爵が子をなすのは極めて自然な、母が送られたときからすでに決まっていたことだったはずだ。


 腹違いの姉妹だ。

 似せようと思えば、顔が似ることもあるだろう。

 少なくとも、他人よりは確率は高い。


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「メティスさん、お話というのはそれだけでしょうか?」


「王国は……王家の、新王国なんて……」


「知っているでしょう? アルベード家に、王家の血が流れてることぐらい」


「……隣国の、隣国はそこのベスタ公爵に操られている。そんな国と王国が同盟なんて!!」


「操られてるだなんて……あなたは陰謀論がお好きなのかしら? それに、もし仮にそうだったとしてだからどうしたの?」


「誇り高き王家が……王家の歴史が……そう、同盟なんてそんなもの、王が納得してなきゃできない。操り人形の女王、本心はどう思ってるのか、私がここに連れてきて……」


「その必要はないよ」


「何を? そうか、やっぱり不都合なことでもあるんだな!!」


「ベスタ、あの王冠もらってもいい?」


「それは……隣国の。……何をする気?」


「一応、初めましてと言っておくわ」


「な!?」


「女王イリスよ、よろしくね」


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「なぜ、なぜ、なにが、どうして、なにが、なぜ……」


 主人公ちゃんが、完全にいかれてしまったようだ。


 主人公ちゃん、確かに神に愛されていたのかもしれない。

 しかし神(原作者)に愛されてるからと言って、神(二次創作者)に愛されているとは限らない。


 邪魔者もいなくなったし、改めて、


「女王イリスと、女王ケレス・アルベードは両国の同盟を宣言します」


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「イリス、あなたは全人類のトップに立って何をするのかしら? 世界征服でもしたいの?」


「そんなわけないじゃない。それぐらいわかるでしょ?」


「ええ、でも何がしたいのかわからないわ」


「私って、意外と一途な女なのよ。でもその前に、この立場ちょっと邪魔ね。そう思わない? 除きが趣味の王子様」


「……いつからばれてたのかな?」


「あなたがメティスといない時点で違和感すごかったわよ」


「はじめっからばれてたのか。でも、私は特にいうことはないよ。争いがなくなるのは結構、同盟も賛成だ」


「私、やりたいことがあるの。隣国の統治はこれまで通りベスタに任せるとして、王国どうしようかしら?」


「ケレスさんがやればいい。僕にはどっちが本物でどっちが偽物かわからないけど、どっちがやっても問題ないだろ」


「あら? そんな態度でいいのかしら」


「な、なにを……」


「私いろいろ知ってるのよ。例えば『条件』とか……」


「そ、それは……」


「いいのかしら? 約束したんでしょ?」


「そういうってことは、彼女もいっしょに、いいんだな?」


「優秀な人は多い方がいいもの」


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