第四章

番外編 最重要機密指定資料 ○○族調査報告書

 番外編 最重要機密指定資料 ○○調査報告書

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 ○○族とは


 第一種禁止宗教などに見られる選民思想。

 我が種族こそが世界の頂点に立ち、ほかの種族を支配すべきという考えのもとに成り立ち。

 その危険度から、世界中で禁止されている。


 ○○族は、本能としてその思想を持つ種族である。


 これは神託によって神より賜った情報だ。


 こことは違う世界。

 そこにはこの世界と同じように、複数種の人類が存在した。

 まだ文明なんてほとんど存在しない時代だった。


 このまま文明が発展すれば、この世界と同じように複数種の人類がそれぞれの文化を作り上げる、多様性にあふれた世界になっていたことだろう。


 しかしそうはならなかった。


 いつの間にかその世界には、○○族しか存在しなくなっていた。

 そのほかの人類はすべて滅亡した。


 人類にとって過ごしずらい世界だったのか?

 そうではない。

 なぜなら、○○族はその後世界そのものを支配したのだから。

 その世界の生態系の頂点、いや生態系すら外れた場所に座ったのだから。


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「○○族はそこまで優れた種族だったの?」


 結果としてはそうだったのだろう。

 だが、運動能力でも頭脳でも他種には負けていた。

 どちらも○○族を上回る種族すら存在したほどだ。


「ではなぜ?」


 神様もはじめは見当がつかなかったという。

 ただの運。

 そう結論図けていた。

 しかし、世界に争いがあふれ見当がついたそうだ。


「他種族がすべて滅んだあとに争いが?」


 そうだ。

 人同士の、○○族同士の争いが激増した。

 そして争っている○○族を見て、神は結論づけた。

 ○○族は殺しに特化した種族なのだと。


「え、狩の能力が高かったってこと?」


 いいや、そうじゃない。

 ○○族は種族として、人との争いに特化した種族だった。

 身体能力も知能も人としては平均だ。

 でもそのすべてが争いに特化している。

 同種同士で争いながら、文明を急速に発展させていくさまを見て神様は思ったという。


 まるで、悪魔のようだ。

 いや、悪魔以上に悪魔らしいと。


「……」


 そしてその悪魔は、自らすべて。

 その世界に住む人すべてを殺せる力を手に入れ……


「滅んだの?」


 いいや。

 滅んでなどいない。

 お互いに世界そのものを殺しつくす力を突きつけあって、大規模な争いが減った。


「減った?」


 そう。

 減っただけ。

 種族そのものが滅びる力を突きつけあって、それでももなお争い続ける。

 それが彼らの○○族の本能だから。

 そして、○○族はほかの世界に進出しつつある。


「え?」


 悪魔をも超える残虐さを持つ彼らは、神さえも引き付ける。


「なら……


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