一話 見覚えのある少女
一話 見覚えのある少女
「ねぇ、おかあさま。おじょうさまってどんなおかたなの?」
「とっても聡明なお方よ。イリス、精いっぱいお仕えするのよ」
「はい」
きょうはまちにまった、とってもたのしみにしていたひなのです。
おかあさまがおつかえしている、あるべーどけっていうとってもえらいきぞくさまのおじょうさまのめいどに、わたしがなるひなのです。
めいどっていっても、おかあさまみたいにほんかくてきにおしごとするのは、もっとおおきくなってからで、いまはすこしおはなしするだけなんだけどね。
いつかおかあさまみたいに、かっこいいめいどになるのがわたしのゆめなんだ。
だからわたしのしょうがいのごしゅじんさまになる、おじょうさまのことはとってもきになるの。
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「イリス、この先にお嬢様とご主人様がいらっしゃいますから、教えた通りにね」
「はい、おかあさま」
そう、わたしはきょうのために、おかあさまといっしょにたくさんれんしゅうしたのです。
むねがどきどきします。
このさきにわたしのごしゅじんさまが……
え!?
「ご主人様、お嬢様。今日は私の娘のために貴重なお時間をいただきありがとうございます」
「いや構わんさ。ケレスの専属になる予定の子だからな」
「イリス、ご主人様とお嬢様にご挨拶を」
……どこかで、見覚えが。
「イリス?」
は、そうだ。
ご挨拶しないと。
「お初にお目にかかります。イリスと申します。アルベード公、ケレス公女に置かれましては……」
「イリス!?」
「お母さま?」
あれ?
私、何か間違えて?
頭が痛い。
視界が歪む。
世界が斜めになって……
ばたっ!!
……大理石って冷たい。
「イ、イリス? 申し訳ございませんご主人様」
「いや、かまわん。それよりすぐに医者を」
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……あの娘ってケレス・アルベードだよね。
あの、ずっと私のプレイを邪魔してきた、悪役令嬢だよね。
私そこのメイドなの?
……あの悲惨な未来を一緒に味わえと?
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