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ゆづき。

第1話 Prolog

爆発音が響く。原因は目の前で哀しそうに笑う彼女だ。僕の身体もミシミシと音を立てている。はっきり言って痛い。

でも……その痛みも次第に薄れていく。

「やっぱり、君は『神様』なんだね」

木っ端微塵になった、建物を背後に彼女は微笑んだ。

「そうかもしれない」

じゃあさ、と彼女は一歩近づいて言う。

「救ってあげてよ。皆を。この『災厄』から」

自嘲的に彼女は言う。

「………………」

「流石に無理、か………………」

察したように彼女は言った。大体、僕にそんな力はない。

彼女は拳銃を取り出して、僕に突きつける。

「意味ないと思うけど……こうするよ」

「あぁ、どうぞ」

これで、死ねるなら本望だ。瓦礫の崩れた音がした。


ばん、と軽快な銃声と共に僕は倒れた。

銃弾が刺さった額が痛い。


「…………ごめんね」

彼女が涙を流したとき、痛みは消えていた。


これは、世界が終わるまでの僕らの戦争の話。

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