第10話 最終話 全部あげちゃう
何時の頃だったろう?
あたしと晴仁は喧嘩ばかりしていた。
でもある日お父さんに連れられて行った駄菓子屋で百円玉を渡され好きな物を買うように言われた。
「お父さん、百円でなんかお菓子買えないよ?」
(; ・`д・´)
「大丈夫、ここは安いから。でもちゃんと自分で計算して買うんだよ」
あたしと晴仁は一人百円ずつでお店の中で買い物を始める。
驚いたのはどれもこれも安いお菓子ばかり。
でも晴仁は‥‥‥
「こっちも、あれも欲しい! あ、でもお金が足りない‥‥‥ ねえお父さん!」
「だめだめ、これはお金を使う練習なんだよ。ちゃんと自分で考えて計算して買わなきゃだめだよ」
そう言われても晴仁は言う事を聞かなかった。
あたしはちゃんと自分の欲しいものをお金の範囲以内で買った。
でも‥‥‥
「お姉ちゃんだけずるい! あんなに買えて!!」
「違うよ、お姉ちゃんはちゃんと金額以内で買っているんだよ」
お父さんに言われて涙目の晴仁。
あたしはまだお釣りの十円が残っている。
晴仁の足りない金額分丁度だ。
「晴仁、これ!」
(・`д・´)/⑩
「お姉ちゃん?」
お父さんを見るとにっこりと笑っている。
店のおばちゃんも。
* * * * *
「ん~、今日は何買おうかな?」
「全く、あんたの駄菓子好きは変わらないよね?」
(´・ω・)
「だって、お姉ちゃんと一緒だもん、一緒に買って食べれば楽しいじゃん!」
「晴仁‥‥‥」
あたしはポケットの百円玉を晴仁に渡す。
そしてにっこりと笑う。
「お姉ちゃん?」
「晴仁これ全部あげるから美味しい駄菓子買ってきて! そしてまた二人で食べようよ!」
あたしたち姉弟はまたこの駄菓子屋で楽しく買い物をする。
晴仁の魔改造駄菓子の美味しいものを食べさせてもらいながら。
そう、ずっとこれからも。
―― 完 ――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~ さいとう みさき @saitoumisaki
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