ありさ、熱を出す。
どうしたものか・・・。
ありさが風邪でダウンしてしまった。
シオンはありさの部屋の前でウロウロしていた。
「あら、シオン。そんなところでウロウロしてそんなにありさが心配?」
母親がニヤニヤしながらシオンに聞いた。
シオンはそんな母親を見て、少し不機嫌になりながら質問した。
「母さんに関係ないだろ。それよりありさの具合はどうなの?」
「それがまだ熱が下がらないのよ。明日になっても下がらなかったら病院に行ってくるわね。」
母親からの言葉にシオンは「わかった」と言って部屋に戻った。
部屋に戻った後、シオンは考え事をしていた。
ありさが不安だから部屋に行きたいけど、風邪が移るとかで追い出されそうだし・・・。
だからって部屋でおとなしく熱が下がるまで待つのも耐えられる自信がない。
どうしようかな・・・。
考えてても状況は変わらないし・・・部屋に行くか。
そう決心したシオンはありさの部屋に向かった。
「ありさ?体調大丈夫?」
シオンはありさに声をかけながら部屋に入った。
ありさは体調が悪いらしく、具合が悪そうに唸りながら寝ている。
こんなありさを見るのは初めてだ。
熱にうなされているありさを見て、シオンはありさに近寄り泣きそうになりながらありさの頭を撫でた。
頭を触っただけでもよく分かるほど熱い。
どうしてありさがこんなに苦しい思いをしなくちゃいけないんだ。
俺が変われるなら変わってあげたい・・・。
そう思いながら頭を撫でていると、ありさが目を覚ました。
「ん・・・シオン?」
ありさに名前を呼ばれてハッとなったシオンは頭を撫でるのをやめてありさに声をかけた。
「ありさ、体調はどう?少しは楽になった?」
するとありさはつらそうな笑いを見せながら答えた。
「寝たら少し楽になったよ。でもまだ辛いかな」
そう答えるありさにシオンは耐えられなくなり、ありさを抱きしめた。
「ありさ、辛いよね。変われるなら変わってあげたいのに、変わること出来なくてごめんね」
その言葉を聞いたありさはシオンの頭を撫でながら一言。
「シオンが謝らないで。それにシオンに風邪が移っちゃう。もう部屋に戻りな」
そう言って頭から手を離したありさはシオンの顔を見て笑ってみせた。
その言葉を聞いたシオンはありさの笑顔に免じてありさから離れた。
「明日になっても熱が下がらなかったら病院に行こうな。俺もついていくから」
その言葉にありさは嫌そうな表情をしながら「う~ん。わかった」と言って再び眠りについた。
そしてシオンはそんなありさの姿に、再び頭を撫でて部屋を出ていったのでした。
~次の日~
「おはよう!」
すっかり元気になったありさが元気に挨拶しながらシオンの部屋に行くとシオンが顔を赤くして横になっていた。
「ありさ・・・頭に響くから・・・大きな声・・・出さないで・・・。」
そう。ありさの風邪をシオンがもらって熱を出してしまった。
その後シオンは病院に行って薬を飲んで休んだのでした。
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