シオンの友達が家に来た。
「なぁありさ。友達のこうきが今から家に来るから、部屋に入ってこないでね?」
シオンは突然ありさに向かってそう告げた。
ありさはもちろんシオンに笑顔で言った。
「え、やだ。」
シオンはやっぱりと言わんばかりに、嫌そうな顔をして
「だよなぁ・・・じゃあ、こうきが何やらかすかわからんから、部屋から出ないでね。」
シオンは一か八かでありさに伝えるとありさは
「わかった。部屋から出なきゃ良いんでしょ。」
ありさはそう言うと部屋に入っていった。
シオンは不思議そうな顔をしてつぶやいた。
「ありさが簡単に引くなんて・・・。」
そして少し考えた後、シオンも部屋に入って片付けを始めた。
~ピンポーン~
「いらっしゃい」
「おじゃましま~す。初めて家に来たけど、いいとこ住んでんじゃん」
「無駄話は良いから。部屋こっち。」
そう言ってシオンはこうきを部屋まで案内した。
「おおう、ここがシオンの部屋かぁ」
こうきはそう言うとシオンの部屋をまじまじと見渡した。
「お前なぁ、勉強するために家に来たんだろ。そんな部屋をまじまじと見んな。飲み物とか取ってくるよ」
シオンはそう言ってキッチンに向かい飲み物を準備をして部屋に戻った。
そして二人は勉強を始めた。
勉強始めて少しすると部屋のドアをノックする音が聞こえた。
シオンはまさかな・・・と思いドアを開けた。
「シオン・・・部屋から出るなって言われてたのにごめんなさい・・・。」
目の前に悲しそうな顔をしたありさが立っていた。
「どうした?なんかあったのか?」
シオンはありさの頬に手を添えて質問した。
「部屋から出ないように、今まで寝てたんだけど、怖い夢見ちゃって部屋にいられなくなっちゃった」
シオンはそんなありさの姿を愛おしそうに見つめて
「そう言われても、今友達来てるから一緒にいること出来ないや。ごめんな?」
シオンが悲しそうにありさにそう伝えると
「わかった。困らせてごめんね。一人はまだ怖いから、リビングでお母さんといるね」
ありさはそう言うとリビングに向かった。
そしてシオンが部屋の中に入るとこうきがびっくりした顔をして固まっている。
その姿を見てシオンは不機嫌な顔をして
「おい、こら。なに固まってんだよ。」
シオンが声をかけるとこうきがハッとした顔になり一言。
「今の・・・お前のなに?」
シオンはありさを見られたことにもっと不機嫌になって質問した。
「お前・・・それ知ってどうするんだ?」
こうきは満面の笑顔で答えた。
「もちろん!紹介してもらう」
「却下!紹介するわけ無いだろ」
シオンは言葉を遮る勢いで返答した。
「なんでだよ!あんな美人さんを紹介してもらわないと俺帰らないぞ!!!」
こうきがそう言うとシオンは
「いや紹介しない。そして家には帰れ。」
と嫌そうな顔をしている。
ありさを紹介しないと帰らないって言ってるし・・・そうしたものか・・・。
そう悩んで頭を抱えるシオンなのでした。
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