祖父母再来

夏休みもあと僅かに迫ったある日。

私はシオンと祖父母の家に来ていた。

「ありさちゃん、シオン君、ゆっくりしていってね!」



時は戻り1週間前。

「え?おばあちゃんが来いって?」

そうお母さんから言われた。

「そうなのよ。シオンにもまた会いたいから一緒にって」

「僕は別にいいけど、ありさは大丈夫?」

シオンに言われて考えた。すごく考えて行くことにした。


「ありさ、本当に大丈夫?あのおばあちゃんすごく強引な人だし・・・。」

シオンはそう言って心配そうな顔をしている。

「大丈夫。まだちゃんと聞きたいこと聞けてないし、聞かないといけない気がするから」

私は笑顔でシオンに言った。

シオンは腑に落ちない顔をしていたが、なんとか説得して行くことが決まった。



そして今に至るのだが・・・。

おばあちゃんは私達が来たのが嬉しかったのか、お菓子やらジュースやら色々出してきてマシンガントークが止まらない・・・。

「それでね!その時お父さんが助けてくれたの~!あの時は惚れ直したわ~」

今はおじいちゃんが昔どんだけかっこよかったかの話をしている。

私は呆れながら話を聞いていた。


「あら、もうこんな時間!夕飯作らなくちゃね!」

そう言ってやっと開放された。

私とシオンは手伝うと言ったが、お客さんだから座って待っててと言われたため、夕ご飯ができるまで時間を潰すことにした。


「やっぱりおばあちゃん、マシンガントークがすごいな」

シオンは呆れながらそう言った。

「私もおばあちゃんがこんな人だと思わなかったよ」

私も呆れながら言った。

すると、話を聞いていたおじいちゃんが話しかけてきた。


「ありさ、俺は・・・本当は後悔しているんだ」

突然のことで驚いていると

「本当はお前の両親が死んだ後、お前を引き取りたかったんだが、なにせ急なことだったから精神的に参ってしまってね。子育てできる状況じゃなかったんだ。」

その言葉を聞いて私は胸に引っかかっていたものが、消えていくのがわかった。


そしておじいちゃんは話を続けた。

「そんな時、誠司くんが引き取るって言ってくれたんだ。何回も話し合いをしてありさを引き取ってもらうことにしたんだ。すまなかった。」

おじいちゃんはそう言って頭を下げた。

「そんな謝らないで。私は恨んでないし、話を聞いて会えてよかったと思ってるよ。」

そうおじいちゃんに笑顔で言った。

おじいちゃんは目に涙をためながら「ありがとう」と言って笑顔になった。


それからはおじいちゃんとシオン、そして私の3人で笑いながら話をしていた。

そんな時夕ご飯が出来たのか、おばあちゃんがやってきた。

「あら?お父さん、ありさちゃんとシオンくんと仲良く何を話してたの?うらやましいわぁ」

と言いながら夕ご飯をテーブルに並べてみんなで笑顔でご飯を食べるのでした。

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