第5話 スタートは後ろからで・・・(4)

まだ、街灯の有る街の中なので、明かりの有る道を走って

5分程でショッピングセンターに着く、


「取り合えず、食材を買っていくか、何かリクエストは有るか?

キムチ鍋は決まって、既に材料も運んで有るが」


「キムチ鍋、キャンプで出来るの?」


「出来る、本格的とはいかないが、2人位なら、あとご飯はレトルトかおにぎりな、」


「私、やっぱりスープパスタがいいな、」


各自いろいろ試そうと、レトルトとか缶とか色々選ぶ。

取り合えず、人数が一人増えたので,

キムチ鍋も鍋用のカット野菜とカット済み肉入り具材を追加する、

感じで揃える。


「直接野菜を買って、現地でカットしないの?私それ位出来るよ、」


と梓川が聞いてくる。


「まあ、キャンプ場には一様、炊事場有るけど、給水位にしといて、

なるべく簡単調理で済むようにした方が楽なんだ」


「そうなんだ・・・」


チョットいたずらに、でも半分以上マジだが、


「実はカップ麺やレトルト飯、レトルト食品、調理パンとかが素人にはベストなんだぜ、

凝ったもので失敗したら、取返し付かないからな、なので、カップ麺やレトルト、

サンドイッチは何時も必ず持ってくぞ、なので最悪でもなんか食えるから安心してくれ(笑)」


「それ、安心なの!(笑)」


そんな感じで食材調達したら、いよいよキャンプ場現地まで、バイクで向かう


「そういえば、梓川は帰宅時間とか制限あるの?」


「特にないけど、常識範囲なら・・・」


「最悪夜11時とかOK?」


「うん、ちゃんと連絡すれば、それくらいなら」


「OK、OKなら余裕だな」



大体、キャンプ場までならバイクで40分圏内なので、

今、夜6時ちょい過ぎなので7時に付いて、9時半ぐらいに

また送ればOKか、問題ないな。



「一様、俺は泊予定だが、梓川はまた送るから、さっきのコンビニで良いか?」


「そうだね、自宅とか恥ずかしいし、なんだか悪いね、」


「気にすんな、ロングツーリングで夜道は慣れてるし、地元みたいなもんだからな、

じゃあ、さっきの要領で後ろへどうぞ、お嬢様(笑)」


「お嬢様じゃないし!、バイクじゃ色気ないし、」


「たしかに」



そうして、バイクで走って、キャンプ場へ向かう、確かにのどかな道では

有るのだが、余り上がる峠道と言うより、狭い田舎道という感じだった、

梓川は夜道が寂しいのか、あとどれ位で着くと結構聞いてきた、


「どうだ、寒く無いか?」


ヘルメットのインカム経由で話す、


「大丈夫、あと、まただけど、どれ位で着く?」


「15分ぐらいかな」


「分かった、でもバイクで夜の道って何か幻想的だけど、なんだか怖いね、」



たしかに全く明かりがない道でもなくで、他に車なども走っているのだけど

バイク初めてだとすこし怖いのかもしれない。



「こわかったら、インカム経由でスマホから音楽とかラジオとか流すけど」


「もっと、早く言ってよ、もう帰りで良いよ!」


そう言いながら、やっとキャンプ場に着く、35分位掛かった計算だ。



道には面した所だが、キャンプ場自体は奥まった所に有る、モーターキャンプも

可能できれいな川に面したキャンプ場だった、ログハウス風の受付が有るので、

近くにバイクを止めて、二人で受付に行く、


「いらっしゃい、春日君、荷物お父さんから、預かっているよ」


と馴染み受付の叔父さんが挨拶する、


「何時ものキャンプの所で、あとデイキャンプだけど一人追加で」


受付の叔父さんが後ろの梓川を見る。


「春日君ヤルねえ、女の子と二人とは」


「ちげーよ、成り行きだって、ただのクラスメイトだし、特別何も無いんだよ、

だから、飯食ったら直ぐに家に送るから、親父には内緒で」



「とりあえず、追加料金はもう、お父さんから薪とか諸経費含めて貰ってるよ、デイって事は、まだ初々しい関係か、一様、泊で二人分貰ってるけど、デイなら返金しようか?」


親父め余計な気を、有難いが、


「初々しいとか関係ないから、出来れば返金で、親父に返しておくから」


「分かった、とりあえず、ただのクラスメイトとゆう事にしておこう」


「あと、ブランケットとカセットコンロ追加で、」


「了解」


「じゃ行くから」


少し後ろで様子を見ていた、梓川に受付が済んだことを伝えて、

トイレ等はこの受付のログハウスのを使う様に伝える

じゃあ、テント張るからと、キャンプ場所までの荷物の移動と

バイクを持ち込む。



「さて、テント張るか、簡易型だからすぐ出来るから、少し待って、それと取り合えず」


持ち込んだ、キャンプ椅子を組立てて、ブランケットを梓川に渡して

キャンプ用簡易テーブルとシングルバーナーを出しておく。


「何か手伝わなくて良い、」


と梓川が聞いてくる、一様、近くログハウスまで薪を取りに行って欲しいので、

持てる範囲で構わないからと、お願いしておく、

ただ、薪はくべる順番に種類が有るので、

受付の叔父さんに聞いて取って来るように頼んだ。



薪を取ってきた梓川に今度は簡易テーブルの上でシングルバーナーでケトルにお湯を

沸かしてくれと頼んでおいた、水は給水ポットか足りなければ炊事場から

汲んで来るように行った、バーナーで少しは暖も取れるしな、


その間に下にシートを引いてテントを張る、

梓川はキャンプテーブルの前でブランケットをかぶってキャンプ椅子

に座ってケトルでお湯を沸かしている、


「出たな、怪人蓑虫ブランケット!」


梓川が、


「なにそれ、ひどい!だって、寒いんだもん!」


「お湯沸いたみたいだぞ、ココアとコーヒー有るが、」


「ココアで!」


「そっ、そうか、」


金属性のカップを出して、粉末ココアの袋を渡す、

まずココアと言うところは女の子か・・・


「砂糖とお湯も自分で、」


ステックタイプの砂糖も渡しておく、

梓川は作ったココアを飲みながら、


「ごめんね、余り手伝えなくて、ココア暖まるよ、」


「気にすんな、テント張ったら、直ぐに薪するから、もう少し待て、」


大体、20分位でテント終了、


「さて、次は薪をするか」


地面に直火は禁止なので、あらかじめ、借りておいた薪台に着火剤引いて、細かい枝などから

火を付けて、なんとか薪の火が付いた。



梓川が薪であったまりながら、


「暖かいね、何か森と川の中でする、薪って、良いね、」


キャンプの河原の森で薪をしながら、まったりはやっぱり良い。


「よし、本番はこれからだ、キャンプ飯するぞ~」


早速、借りておいたカセットコンロに土鍋を置き、


「最初はキムチ鍋で良いな、カセットバーナーの方の鍋でレトルトご飯の

湯煎よろしく、」


「了解です」



水、肉、家でカットしてパックしたものや、カット済みの具などをいれて、

キムチのタレなどで、ダシを取り、土鍋をカセットコンロで煮込む。

何分かして鍋が完成する、そうして湯煎の終わった、レトルトご飯と

一緒に鍋を食べる。



梓川が、


「なんか、新鮮で美味しいね、家で作っているキムチ鍋より全然美味しい、

これが、キャンプ飯の効果?」


「そうだな、キャンプ飯はゆとりが有れば何故かうまいんだ!」


「ゆとり?」


「そう、心にゆとりが有ればね」



そんなで鍋もカラになり、小型炭火コンロで流石に焼き肉とかは時間と

お腹の容量の関係で無理になり、梓川もパスタはあきらめたらしい、

クリーム系カップ麺のストックも梓川に進めたがお腹いっぱいらしい、

さすがは女子、小食だ、俺は一様醤油カップ麺でさらに腹をみたす。


二人でインスタントのコンソメスープを飲みながら、

薪を囲んで、キャンプ椅子にブランケットを被って座りながら

まったりする、12月初めの空気は寒かったが薪効果とキムチ鍋効果で

ほっこり、まったり気分だ、


「薪って、ほんとうに良いね」


と梓川、


「まあ、この時期は虫もいないしね、」


「ああ、そうか、虫って確かに嫌かも、」


「でもこの辺は蛍がでるんだ、6月末から7月初めまで」


「本当、見てみたいね、でも虫も出るんでしょ」


「蛍も虫なんだが、蚊とかね、でも寝るときはテントで虫よけや

携帯蚊取りなんかで対応は出来るけど、テントはメッシュついてるし、

でも外では虫よけと虫刺され薬は必須だな」


「寒いは寒いなりに、暑いは暑いなりになんだね、」


「あとバイクとテントだけだと雨が悲惨だ、

まあ、その苦労も含めてキャンプなんだろうけど」


「そうかも・・・」


食べ終わったら、炊事場でゴム手袋して使った食器を洗って、

キャンプ飯は終了した、



そんな感じで、他にキャンプ利用者は1組ぐらいで、リラックスして

カップスープとか薪とか楽しんだ。

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