第1話 スタートは後ろからで・・・(1)

掃除中、考え事している最中に、

急にクラスの男子の春日君に声かけられたのでちょっとビックリしてしまった


「あれ、春日くん、なんで?」


「いや、磯部先生に用があって、着たらな・・・それよりコレ(机)どかせば良いか?」


「うん、ありがと・・・」



それからは、必要な作業の会話以外は無言で掃除がすすんだ、

春日君に何故、『一人で掃除を』って聞かれなかったのは、

私に気を使ってくれたのだと思う、チョット優しいかな・・・


それにしても、私にとって春日君は、特にクラスで目立たない存在だし、

いつも、ボサボサの髪で前髪も長く、よく顔も見えないし、見た目で、不愛想な感じで

なんで手伝って、くれたか理由が分からなく、聞いてみたかった。



「なんで、磯部先生に用があったの、」

でも、さすがになんで、掃除を手伝ってくれたのとは聞きづらかった。


「ああ、実は炭をもらいにな、なんか余っているってきいたからな」


「墨?書道?春日くんて、書道とかしているの?イメージわかない。」


「書道?、ハハハ、ああっ違う違う、炭火コンロとかに使う炭な、

磯部先生実は校舎裏に炭作り様の釜戸作ってて、良く科学部とか文化祭とかで炭、売ってるだろ」



「あー、あの炭、焼き鳥とかの」


「そう、その炭、焼き鳥じゃなくて、キャンプ用のコンロに使うやつな、焼き鳥って飲兵衛か、」


「未成年だし、違うし、」



春日くんて、キャンプとかするんだ、意外とアウトドア派?、

そんな感じでポツポツと会話しながら

掃除も二人で進んで、ほぼ終わりかけに磯部先生が来た、



「おっ、二人で掃除か?仲いいな、」


すると春日くんが、


「関係ないよ、それより先生、文化祭で売れ残って、炭余っているてっ聞いたけど、もらって良い?」


磯部先生は、


「一束、100円な、」


「金取るの、」


「当然だろ、売れ残りとはいえちゃんと作ったものだからな、去年は春日も

炭作り手伝ったから知ってんだろ、作るの大変なのは」



「ま、たしかにお買い得だからいいか、」


そんな感じで、交渉は成立したみたい、結局、私は何で手伝ってくれたか

理由は聞けずじまいだったけど。



「ところで、なんで二人で掃除しているんだ?」


「いや、梓川さんが掃除の時間過ぎても、掃除してたからな、

それと炭貰うのに点数稼ぎしておいた」



磯部先生は、


「本当か?梓川は、何気に可愛いからな!そっちの点数稼ぎじゃないのか?」


私が可愛い!?なんか照れる、

すると春日君が、


「他の女生徒は可愛くないのか?」


「いや皆可愛いぞ、青春て感じだ!」


そうゆう事か、そうだよね、先生から見れば、みんなそうか、

追従して春日くんも、


「そうだよな、みんな女生徒は男子より輝いているよな~、

先生にとって、」


「おいおい、先生に下心はないぞ、可愛い奥さん居るしな、青春で

輝いてるってことだ、」


「はいはい」


「あの私そろそろ・・・」


さりげなく、帰るアピールをする。


「おっ、掃除ご苦労な、一緒に帰らないのか?」


と先生、すると春日君が


「そんなはず無いだろ、ただのクラスメイトだし、梓川さんおつかれ~」


と別れの挨拶をしてくる、

わたしもそれに答えて、


「お疲れ様。」


と挨拶して化学準備室を出る、

結局、お礼言えなかったな・・・。




















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