転生先で女神サマに月の戦士の真似事を頼まれた!

千本桜

第1話 どうやら転生したようです

春の陽気が気持ち良いので仕事の合間のランチを木陰とっているときだった。

「はいディアナ、お昼よ。」

ディアナは5年前に捨てられていた子猫で今ではすっかり大きくなった。

最近では私の魔力が高いこともありいつの間にか使い魔としても活躍出来るようになったので召喚と送還が出来るようなったこともあり、仕事の合間に呼び出して癒されている。

使い魔だけど特に仕事に活かすとかではなく私の癒しのみだけど長年連れ添った使い魔とは会話が出来るようになる事もあるそうなので私もいつかディアナと話せるようになりたいと思っていたりする。


「今日はディアナの好きなシャケサンドよ。」

『にゃー(わーい!)』

えっ?今鳴き声とは別に頭の中に声が…

「ディアナ?」

周りに人は居ないので空耳かもしれないと思いディアナに声をかけてみる。

『にゃう?(エリス?)』

やっぱりディアナの鳴き声と同時に聞こえてくる。

「ねぇディアナ?もしかして私の話が分かってたりする??」

『(エリス?!もしかして私の声が聞こえるようになったの?)』

「う、うん。さっきから急に頭の中でディアナが話しているのがわかるようになったみたい。」

やっぱりディアナと会話が出来ている。

ずっとディアナとお話することが夢だったのでとっても嬉しくて浮かれてしまう。

「ディアナとお話できるようになってすっごく嬉しい!!」

いつかとは思っていたけれどもこんなに早くお話出来るなんて信じられないくらいでまさか自分が出来るなんてと言う感慨深さも込み上げてくる。

『(うん、私もエリスと話せるようになって嬉しい!)』

ディアナも喜んでくれているようでほっぺを私の膝に擦り寄せてくれている。

そんな姿が可愛くて癒されつつ浮かれていると。

『(ねぇご飯の時間が無くなっちゃうよ?)』

浮かれている私を現実に戻してくれてありがとう

「たいへん!そうだねとりあえずランチにしやう。」

そうして私は急いでランチを取り浮かれ気分を引きずったまま午後の仕事へと戻る。


その日の夜、自室でやっと一息つける時間が出来てディアナとお話が出来た。


「ねぇディアナ?なんでパパとママにはお話が出来るようになったことを言ってはダメなの?」

仕事からの帰り道には少しだけディアナとお話をした時に(まだ誰にもこの事は言わないで。)と言われていたのでパパ達にも言えていない。『(あのね、貴女が私と会話ができるようになったら知るべきことがあるの。まずはそれを知った上でどうするかは自分で決めて欲しいとおもってるわ。)』

「知るべきこと?」

さっぱり見当もつかない。

『(少しビックリするような事だからベットに横になった方がいいと思うの。それと話と言うよりエリス自身が既に知っていることの封印を解くようなものだから…)』

私の記憶って封印されている何かがあるの!?

とりあえずわからなすぎて混乱してきた。

「うーん、これでいい?」

悩んでいても仕方が無いので仰向けに寝転がる。

『(ありがとう、それじゃあ始めるね。)』

ディアナはそう言うと私の額にぷにぷにの肉球をのせて、

『(解放)』

一言言うと封印?されていた記憶が一気に頭の中を駆け巡り確かに辺りにも多くの情報量にめまいさえしてきてディアナの言う通りに大人しく横になっていて良かった。座っていたら倒れてしまっていたかもしれない。

短いような長いような時間がたちようやく今の自分と【前世】の自分とが結びついたようでゆっくり起き上がるとそばで丸くなっていたディアナが顔をこちらに向ける。

『(落ち着いた?)』

「うん、まだあやふやな所もあるけどだいたいは思い出したよ。もちろん女神サマのお願いごともね。」

『(そっか、それなら私のことも?)』

「うん」

そう、ディアナとは1度だけここではない世界であった事があった。


はぁ…

それにしても私は本当に転生したんだね。



私の前世は地球の日本でアラサー女子でフリーターだったが今は15歳目前の普通の町娘だ。

そんな私が女神サマにお願いされた使命?を果たすためにコレからやるべき事が沢山あるのだった。


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