イケメン甥っ子と同棲!血縁なのに迫られて、処女な私はどうすればいい?

きくらげ

再会した甥っ子がイケメンすぎる!

第1話 陽太くん…だよね?

 それは4月の初めのことだった。

 インターホンがうるさく鳴り続いていたが、居留守を使ってやり過ごす。モニターに映った人物が、姉の美奈みなだったからだ。通知もやかましいが無視した。あんな女と絶対に関わりたくない。


 10分くらいして鳴り止んだので、嫌々ながらメッセージを確認すると、最後の一言に背筋が凍る。



陽太ようた、置いてくからあとよろしくね~!v(・∀・*)』



 嫌な予感がしてすぐに返信したが、反応がなく電話にも出ない。急いで一回のエントランスへ向かう。エレベーターを降りると、ガラス扉の向こうの宅配ボックスの前で、佇む男の子がいた。

 オートロックの自動ドアを通ると、彼はおもむろにこちらを向く。記憶が正しければ今年で中学3年生。成長期が早かったのか、すでに身長が自分より大きかった。

 顔のつくりも子供の丸みが抜けて、整った形のイケメンに成長していた。


「陽太くん…だよね?」


「はい、夕夏ゆかさんですか?」


 落ち着いた声で返事をする。親に放置されたのに冷静だった。


「えっと~、『お母さん』は?」


 彼を置き去りにした張本人の姿を探す夕夏。陽太は表情筋をピクリとも動かさず、眼鏡の奥の黒い目を向けて答える。


「もう、行きました。これからは夕夏さんのお世話になるようにと…」


 夕夏はその場に踞った。

 姉の通知を無視した事を後悔し、頭を抱えた。







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