天上の柩と光の護人

@tt5168

第1話 じいちゃんの名前

イベント開始条件

第一部クリア。推奨レベル50。

バルオキー・アルド宅で開始。


○バルオキー・アルド宅・内

イベント開始。

概要文表示

『時を巡る戦いにひとまずの決着をつけ、休息を取るアルド達。

しかし、忌まわしき過去が滲むように現在へと侵食を始めていた』


開始しないをタップ

再度イベント開始ボタンをタップするところまでに戻る。


開始するをタップ

暗転。


○過去

荒れ果てた平原。倒れている若い頃のギレウス、起き上がる。

ギレウス「ぬっ……ここは? おい、ヴィクト! いないのか!」

辺りを見回し、何かに気づいたギレウス、駆ける。

画面切り替わって、離れたところに倒れている女性を慌てて抱える。

ギレウス「おい、メディーナ! しっかりしろ!」

閉じた目を開く美女――メディーナ。

メディーナ「あ……ギレウス」

ギレウス「良かった。大丈夫か?」

メディーナ「うん。私たち、勝ったの?」

ギレウス「そうらしい。天上の柩とやらがぶっ壊れて、ここに落ちてきたようだからな。いっちゃんひ弱なお前が生きてるんだ。ヴィクト達も無事だろ」

メディーナ「ひ弱なんて酷いじゃないの」

ギレウス「悪かったよ。立てるか?」

メディーナ「ううん。おぶって」

ギレウス「減らず口叩けるくらいなら歩けるな」

メディーナ「あ、一番頑張った私にそんなこと言うんだ?」

立ち上がり、頭をかくギレウス。

メディーナを背負ってゆっくりと歩き出す。

メディーナ「ちょっとー、この馬車乗り心地悪いんですけど。ゴツゴツしてるし」

ギレウス「文句言うなら下ろすぞ」

メディーナ「嘘。最高だよ」

ギレウス「そいつはどうも」

メディーナ「ねぇ、訊いていいかな?」

ギレウス「なんだ?」

メディーナ「この旅が終わったらさ、ギレウスはどうする?」

ギレウス「そうだな。畑でも耕して、のんびりしたいね。この日々も楽しいっちゃ楽しいが、度々世界を救うのはいい加減飽きてきたし」

メディーナ「のんびり、かぁ。私もそうしたいな。好きな人と一緒にいて、子供と一緒に……うん、私……そうしたい……」

ギレウス「お前も宿命だのなんだので振り回されてきたからなぁ。そうだ、ミグランスから少し離れたところに集落あるの知ってるだろ?」

メディーナ「うん……」

ギレウス「そこに住もうと思って--」

メディーナ「ギレウス……」

ギレウス「なんだよ?」

メディーナ「ごめんね。それは……無理みたい……」

ギレウス「おいおい。弱気なるなよ」

 メディーナが光に包まれていく。

ギレウス「おい。どうした?」

メディーナ「ギレウス。私のことは、忘れていいから」

ギレウス「なんだよ。何言ってんだ。おい! 行くな!」

メディーナ「私が死んでから、あなたに不幸になって欲しくないの。だから……」

 閃光。メディーナが消滅し、すっと立っているギレウス。

ギレウス「あれ……? なんだ。誰か、いたような……」


○現在・バルオキー・村長宅・内

 身を震わせるギレウス(村長)。

村長「おお、いかんな。立ったまま寝てしまうとは」

 入ってくるアルド、フィーネ、サイラス、エイミ、リィカ、ヘレナ。

アルド「ただいま、じいちゃん」

村長「おかえり、アルド、フィーネ。お仲間の方々もゆっくりしていってくだされ」

エイミ「お言葉に甘えさせていただきます」

 ツインテールが回転を始めるリィカ。

リィカ「村長サンノバイタルニ変調ガ見ラレマス!ドウヤラ、立ッタママスリープ状態ニアッタモヨウデス」

サイラス「立ったまま寝られていたのでござるか? うぅむ。以前から気になっていたのでござるが、村長殿は戦闘の心得がおありなのですかな?」

ヘレナ「そうなの?」

サイラス「解る者にはわかる。立ち振る舞いからして、只者ではござらぬよ。もしかすると、この場にいる誰よりも……」

村長「買い被りすぎですじゃ。まぁ、昔は仲間たちと旅をしていた時も

ありましたがな。はっはっは」

 エイミ、一歩踏み出して、

エイミ「そういえば、気になっていたんですが……村長さんって、なんてお名前なんですか? アルドとフィーネは知ってる?」

アルド「ああ、確か……」

 ヴィクトキャラクエスト・3クリア後

アルド「ギレウス、だっけ」

村長「おお、知っておったか」

 ヴィクトキャラクエスト・3クリア前

アルド「……拾われた時からじいちゃんだったから、名前なんて知らないぞ」

フィーネ「私も……」

村長「ギレウス、じゃよ。名前で呼ばれることなど、滅多にないがな」

 ここから共通。

サイラス「ギレウス殿、でござるか。如何にもな名前でござるなぁ」

アルド「話は戻るけど、じいちゃん、大丈夫? 立ったまま寝るなんて」

ギレウス「大丈夫じゃよ。少し、昔を思い出していたらいつの間にか眠ってしまったようだ」

フィーネ「昔? それって、旅をしてた時のこと?」

ギレウス「ああ。もう何十年も前のことだ。この世界を滅ぼさんとしていた

太古からの神を……いや、もう終わったことじゃ」

ヘレナ「ど、どんな戦いがあったの?」

サイラス「壮絶極まる戦いがあったのでござろうな。それを経て、この貫禄。

納得でござる」 

村長「いやいや、あなた方も相応に身につけつつあると思いますぞ。決死の戦いを幾多も重ねてきたのですからな……」

アルド「じいちゃん?」

 村長、思案にふけって。

村長「いや、未練だな……」

アルド「じいちゃん?」

村長「……少し、外に出ようかな。アルド、フィーネ。それに皆さんも、何もないところですが、ゆっくりしていってくだされ」

 宅から出て行く村長。

 を、見送ったアルド。

アルド「じいちゃん、なんだからしくなかったな」

フィーネ「うん。いつもと違ったよね」

エイミ「過去に何か、大きな戦いがあったみたいなこと言ってたわよね。それに関係してるのかしら? 何十年も前……か。アルドは何か知らない?」

アルド「それが、じいちゃんって昔のこと全然語らないからなぁ……大きな戦いが

あったなら、伝聞か何かで伝わってるだろうし」

 誇張では、と語るには穏やかではない雰囲気を醸し出していた村長。

 一行の関心は村長――ギレウスの過去に向けられている。

 ヴィクト・キャラクエスト・3クリア後。

アルド「(ヴィクトなら何か知ってるよな。でも、何かを訊こうにもはぐらかされるかもしれないし)」

 同・クリア前。

フィーネ「誰か、その戦いを知っている人はいないかな」

 以下、共通。

アルド「ミグランス王に訊いてみるのはどうかな? あの方なら、この国であった

出来事を知っているかも」

サイラス「それはいい考えでござるな。善は急げ。早速、ユニガンへ向かうでござる」

 行動開始・ユニガンへ向かう。

 クエストスタート。

 目的地表示『ユニガンにいるミグランス王に会いに行こう』


○王都ユニガン・宿屋・内

 二階にいるミグランス王にタップ。

 イベント表示『じいちゃんの名前』をタップ。

 ミグランス王の前に集まる一行。

ミグランス王「おぉ、アルド。それに他の皆も。今日は何用だ?」

アルド「はい。実は……」

 暗転。

ミグランス王「成る程。影の戦い、その一端を知ったか」

フィーネ「影の、戦い??」

ミグランス王「そうだ。歴史に決して語られることのない、ただ知る人ぞ心に刻んでいる戦いだ。皆は、この大陸にある歴史を全て知っているだろうか?」

  互いを見合わせる一行。

ミグランス王「表に語られている歴史が、全てではないのだ」

エイミ「それは、いったい何故なんですか?」

ミグランス王「人々の営みに然程関わってきたものではないからだ。知らない間にこの世界が滅亡するか否かの瀬戸際にあり、ギレウス殿達はそれに立ち向かったのだ」

ヘレナ「なるほど。だから知る人ぞ知る、ということなのね」

エイミ「私たちの戦いと一緒ね。魔獣達との戦いはともかく、ファントムとの戦いなんて誰も知らないわけだし」

ミグランス王「彼らはこう言っていたよ。自分達はただ、やるべきことをしただけで賞賛されるために戦ったわけではないと。父上は彼らの言葉に感銘を受けてな。見聞を広めるため、共に冒険の旅に出たのだそうだ」

アルド「じいちゃんは太古からの神と言ってました。王は、何かご存知ですか?」

ミグランス王「…………そなたらも、知るべきか」

 ミグランス王にややズーム。

ミグランス王「その者、遥かなる空より飛来せしめ、一〇〇〇の厄災をもちて世界を滅絶する。けして呼び起こすことなかれ。その者の呼び水、天上の柩にあり。滅びの引き金、人の悪意にあり」

 ズーム、解け。

ミグランス王「戦の折、セレナ海岸沖に天上の柩と呼ばれる建造物が出現したのだ。ある教団司祭が儀式を執り行うために呼び出した巨大な祭壇。」

アルド「じいちゃん達は、その司祭を倒すために?」

ミグランス王「うむ。結果は、察しのとおりだ。だが……」

リィカ「ダガ?」

ミグランス王「……その後、何かがあったらしいのだ。影で起こった戦いは終結してしばらくの後、仲間達は各々の道を歩き始めたことまでは聞いているのだが。すまんな。これ以上、役には立てなそうだ」

アルド「いえ、とんでもない」

フィーネ「はい! お話、ありがとうございます。わからない事の殆どが解ったかもしれませんし」

エイミ「そうね。村長さんの言っていた太古の神、歴史の影で大きな戦いがあったのは確定したし。今度は何を調べる?」

アルド「太古の神って何なんだろうな? そうだ。オーガベイン。なにか知らないか?」

 振動を始めるオーガベイン。

オーガベイン「知らん。知っていたところで教えてやるつもりはない」

アルド「なんだよ。減るもんじゃないし」

エイミ「意外と、知らないんじゃない?」

オーガベイン「知っている」

アルド「なら、教えてくれよ」

オーガベイン「教えん」

サイラス「本当は知らないのでござろう?」

オーガベイン「貴様らの易い誘導尋問には乗らんぞ。だがまぁ、ヒントを教えて

やらんでもない」

アルド「本当か?」

オーガベイン「かの神は、遥か昔に有った。いや、正確には神ではないな。当時の人間にそう定義づけられたものに過ぎない。行使する力が人智を遥かに越えていたからな。神の御業と喩えたのだ」

アルド「遥か昔……か」

 兵士、入ってくる。

兵士「失礼します! カレク湿原に、見たことのない怪物が出現! 哨戒していた騎士が応戦していますが……」

ミグランス王「持ちそうにないか?」

兵士「は、はい。黒い霧に遮られ、攻撃が思うように通らないとのことです」

リィカ「アルドサン!」

アルド「ああ。俺達も行こう! 陛下、俺たちが助けに行きます!」

ミグランス王「すまん。よろしく頼む!」

オーガベイン「黒い霧……まさかな」

目的地表示・カレク湿原にいる怪物を倒しに行こう。


○カレク湿原

 目的地に到着。アイコンをタップ。

 この後、大きな試練が待ち受ける。

 駆け寄ってくるアルド、フィーネ、サイラス、リィカ、エイミ、ヘレナ。

 倒れている兵士達。付近には黒い霧が漂っている。

アルド「なんだ、この霧?」

サイラス「今までにないものでゴザルな」

オーガベイン「アルド。気をつけろ」

アルド「オーガベイン?」

オーガベイン「これは、悪意だ。怨念と言い換えるか」

エイミ「お、怨念ですって!?」

 黒い霧が集まり、異形の怪物が顕現する。

 全身が爛れ、虚無を映し出す双眸は見る者を震わせる。

アルド「な、何だ……? 全身が、だるい……」

フィーネ「うっ……」

サイラス「こ、これは……拙者、恐怖しているのでゴザルか……? この、妖しに?」

リィカ「コノモンスターカラ、正体不明ノエネルギーガハナタレテイマス」

オーガベイン「アルド、私を使え。不本意だが、致し方あるまい」

アルド「何とかできるのか?」

オーガベイン「いいから、言うとおりにしろ」

 オーガベインを抜き、力を解放するアルド。

 アナザーフォース発動。オーガベインを振るう。

 異形から黒い気が散っていく。

サイラス「体が動くでござる!」

ヘレナ「これなら行けるわね」

アルド「よし! 行くぞ!」

 闇より這い出る者と戦闘。

 第一部クリアなら余裕綽々のレベル。


 敗北の場合、クロノス石でコンティニューorユニガン宿屋からやり直し。

 

 勝利後。

 消失する異形。

 安堵する一行。兵士達が起き上がる。

アルド「何とかなったな。ありがとう、オーガベイン。だけど、一体どうやったんだ?」

オーガベイン「あの怪物が張った黒い結界を払ったのだ。あの霧は領域内にいる人間を恐怖させ、眷属化させる類のものでな。あのまま放置しておいたら、お前達もあの化物の一員になっていただろうな」

エイミ「ぞっとしないわね……」

アルド「お前は、あの化物が何なのか知っているのか? 悪意とか言っていたけど」

オーガベイン「やれやれ。記憶力の無い連中だ。思い出してみろ。お前達は何について調べ、何を聞いたのだ?」

フィーネ「なにって……」

アルド「まさか……」

オーガベイン「そういうことだ」

 クエスト終了。

 クロノス石入手。


 第二話へ続く。



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