百十八話 一方地上では5

「はぁ......結局今日も何にも見つかん

なかったな......」



次の日、三人は引き続きタチアナの

捜索を行うも、何一つとして収穫を

得ることができず戻ってきた。



「予定通り、明日からはいかだ作りに

取りかかるのだよ。いいな? 鬼灯。」



「......了解。」



「そんなしょげた顔すんなって。

長老に占ってもらえば、直ぐタチアナの

居場所もわかるからよ!」




「......うん。」




「よーし、じゃ! 飯の準備だ!

飯、飯!」




「子供みたいにはしゃぐので

はないのだよ。」



「うっせ! 俺は飯食ってるときが

一番幸せなんだよ!」





そんなこんなで三人は食料調達に

向かおうとした、その時だった。











「おい! バーゼン! ホーズキ!」



カクバがいち早く、それら、に気がついた。




「ぐぁ!!!」



カクバは、それら、から二人を

守ろうと盾になり、後方へ吹き飛ぶ。



「カクバ! こいつらは一体......

なんなのだよ。」



バーゼンの見つめる先には、

見るも無惨な化け物達がいた。



それらに共通しているのは人間の

顔をしているという点のみ。



体の部位はさまざまな生き物で

できているようだった。



背中に羽根が生えている鳥人間や

猫科の体をした化け物。

人間の頭だけがどろどろの液体で守られ

ている化け物。

計三体がカクバ達の前に突然現れた。




「......人の顔......してる......」




「んでも、魔族には変わりねぇだろ。」



猫人間に突撃され、吹き飛ばされ

たカクバだったが、余裕そうな

顔をして戻ってくる。




「あの空を飛ぶ幹部同様に、

もともとこのジュラ島に潜伏していた

のか......?」



「そんなの今考えてもしかたねぇだろ、

バーゼン。」



「あぁ。」



「......とりあえず......今すべき......

ことは......」




「こいつら全員ぶっ殺す!!!!!」



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