第31話胸が痛い事

「ここで働いてるのはルセの人達だ。ヨウ国の奴らに奴隷のように働らかされている。辛いんだよ」

 ファルークは胸あたりの服をきゅっとつかむ。

「やめろっていった所でルセにはこれといった産業もない。ひどい働き口だと思っても働くしかない」

「家臣は?おかしいっと思う奴はいないのか?」

 この町に入って思ったがヨウ国人をいい感じで思ってるようには思えない。ヨウ国人にいいように使われる事を声にだす家臣とかはいないのだろうか。

「おかしいと思ってる奴らはたくさんいる。だがここからでる莫大な利益に目がくらんでいいだせない」

 ファルークからやりきれなさが伝わる。

「お前ならわかるだろ、この高炉」

「あぁ、この高炉はダメだ。ヨウ鋼鉄がうまくとける高温をだせない。高温だせないと変な空気になる。それを長時間吸い込むと手足が震えだす」

「やはり、そうかここが原因か。ここで働く奴ばかりに変な病気がでている。病気なった奴は働けない。あの子供達の親はここで働いていた」

 重い空気が流れる。

 ユナがファルークの服をひっぱる。ユナの指を指すほうに目を向ける。

 馬のまわりに小鳥が集まっていた。

 あはは

 ファンリーは思わず笑ってしまった。

「小鳥のエサになるまえに馬に下げた荷物を届にいこう」

 ファルークの顔が一気に赤くなる。

「ユナの懐の物もな」

 ユナも顔が赤くなりファルークと目が合い。お互い笑い始める。


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