第30話得にならない事

 朝もやがかかっていて、少し肌寒感じる。ルセの町から北西にファルークの馬の後をユナとファンリーの馬が歩調をあわせてついていく。しばらく森が続いて森があけるとレンガをつんだ塔のようなものが見えてきた。

「製鉄所!?」

 ファンリーは驚いた。ヨウ国では認知されていない物だった。

「そうだ。製鉄所だ。あまり近くにいくと見つかるからここで馬をとめるぞ」

 ファルークは馬からおりて近くの木に馬を結ぶ。ファンリーは先に馬からおり、ユナをおろす。

 ファルークの後を2人はおいかける。

 ファルークは塔の近くで止まる。

「この時間はほぼ人がいないから近くでみれる」

 ファンリーはその塔をよくみる。高炉!赤レンガではない。これじゃ、、、

「ヨウ国に隠れてこそこそヨウ人が作った製鉄所だ」

 ファルークは渋い顔する。

「そうだろうな。こんな出来損ないヨウ国が許可するはずがない」

 ヤカモズ帝国の中央にも知られてないよな、しっているなら何らかの動きがあるはず。武器をかき集めている情報もない。

「ファルーク、ここで作った鉄製品は」

「鉄で儲けるとなれば武器や防具だろうな。ヤカモズ帝国内で売れば問題なるこらここからさらに北西の国で売りさばいてるらしい」

「さっきからだと思うとか、らしいとかばかりだな」

「あぁ。ヨウ国人がルセの領地内の土地をかりルセの領地内の人を雇いかってにやってる事だ」

「!」

「何かあってもルセ領主はなにも知らないって事になっている。ただ土地を貸しているだけだ」

 くそ。ここ最近ヨウ鋼鉄の価格の変動がおかしいと思っていたらこんな事になっているとは早く姫達と合流して国に報告しなくては。

「おまえはなんでこんな事を教えくれたんだ。俺に教えても何の得にもならないだろう」

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