kの見る夢
吉川 卓志
kの見る夢
kの見る夢
背の高いソフトドリンクの瓶と背の低いソフトドリンクの瓶が並べて置いてある。
うまい具合に重ねて行くと、背の高い瓶の方がより固く積まれた。
人がそこから選んで持って行き、背の高い方は無くなった。
kはライター
以前はシンクタンクに努めていた。
下半身がしびれるようになり、上手く歩けなくなった。
ハードで、人に会う必要が有るその仕事を辞めて、個人のペースで出来るライターになった。
両手に松葉づえを装着している。足で歩く事は出来るが、意識をしないと足が動かない。
しかも、動かすたびに、まるで下手に正座をしていて急に立ったような、強烈な不快感を覚える。
このシビレはやがて足だけでは無く体全体を侵すと医者に言われている。
取材に行く
閉鎖的空間の商店街。
取材さきは2F。エレベーターを探す。
人について行くと突き当りは階段だった。
商店の店主に聞くと、エレベーターの有りかを教えてくれる。狭い路地の奥。
エレベーターから移民のポーターが下りて来る。
ニコニコしている。
ニコニコしている人こそ信用できない。kはインタビューで相手にそう語るよう仕向けるつもり。
kの特殊能力
左手にはポータブルICレコーダー 相手を安心させるため。
右手はさりげなく、スーツの下に隠す。胸の上で指を折り曲げサインを作る。
それにより、相手の感情を意のままにコントロールできる。
後は、質問の言葉をちょっと工夫する事によって。ですよね? じゃないですか? ●●ですか?それとも○○ですか?
言わせたい事を言わせる。
日本に人工生命を普及させるつもり。
人工生命は安心安全で経済的。
話は通じるし空気も読める。
男は美男子女は美人。
Kは人工生命を作っている作成元の預言者。
意識はやがて人工生命へ写される予定。
kの見る夢 吉川 卓志 @Lolomo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます