第6話 真、諭される
会社の健康診断の結果が出た。
「尿酸値が高いですわね」
「視力も、だめー」
「ビールの飲み過ぎと、偏った食生活がこの結果を連れてきたと判断してよろしいようですわね」
耳が痛い。
「料理道師範のわたくしが、指導してもよくってよ」
「わたしは食べる役ー」
料理は、妻が死んだ直後は頑張っていたが。
包丁は錆びついてしまっているな。どうしたものか。
「ビーちゃん、出番ですわよ」
「はーい、さくさくっと錆びで粉々にしちゃうよー」
「粉々になった包丁はわたくしが超グレードアップさせてステンレス製孫六三徳包丁にして差し上げましたわ」
フーちゃんは福の神だからとしても、意外に、ビーちゃんのやることがすごいな。
「もっとほめてー」
「ビーちゃんは貧乏神と言われ続けて、褒められることがほとんどありませんでしたしね」
「いえーぃ」
調子に乗ってそこらじゅうの物を粉々にしないでほしいのだが。
「仕方ありません、わたくしが超グレードアップした、愛くるしくもファンシーでルネッサンスに復旧して差し上げますわ」
ガス台がキャラクターもののIHコンロになってしまった。そもそもこの家にそのための電源は来ていないはずだが。
「いえーぃ!」
考えるより行動か。電力会社に電話せねばイカンな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます