TYT-044 怒れる彫像

【管理番号】

 TYT-044


【妖異通称】

 怒れる彫像 / リビングスタチュー


【対応状況】

 本妖異は20■■年■月に帝国妖異対策局によって無力化されました。


【危険等級:丙級】

 遭遇したら気付かれないように退避してください。非常に危険な妖異です。もし貴方の存在が相手に認識された場合、生命に関わる危機的状況に陥っていると考えるべきです。


【映像情報】

 リビングスタチューと交戦中の帝国妖異対策局の映像が保管されています。映像では、怒りの表情を浮かべた女性の彫像が右手に裸体女性の彫像、左手に裸体男性の彫像の頭部を掴んで引きずり歩く様子を確認することができます。彫像は戦闘に際しては、これら男女の彫像を振り回すことで攻撃を行っています。

https://kakuyomu.jp/users/teikokuyouitaisakukyoku/news/16818093074428979615


【確認地域】

 ■■■■外人墓地以外の地域で目撃されている事例はありません。


【関連事件】

《 外人墓地殺人事件[19■■年/199■年/20■■年] 》

 20■■年■月■日、■■県■■市にある外人墓地にて裸の男女の遺体が発見されました。遺体の状態は双方とも損傷が激しく、当初は熊のような巨大な獣に襲われたのではないかと推測されていました。遺体には引き摺られた跡があり、その跡を辿ると、かつて芸術家集団によって墓地に寄贈された「復讐の乙女」像まで続いていることが確認されました。


 この像は、女性が両方の手に男性と女性の髪を掴んでいる状態で立っています。事件調査時には、髪を掴まれている男女の目から涙が流れているかのように血が塗り込められていました。この血液を確認したところ、血液は被害者双方のものと一致していました。この外人墓地では、同種の事件が本件を含め3度発生しています。


【詳細】

 普段は普通の彫像と全く違いは見られませんが、特定状況下になると活性化する妖異です。土御門妖異研究所によればゴーレムのように呪術的な秘儀によって創造された妖異の一種と判断されています。「復讐の乙女」を寄贈した暗黒禁忌団は、芸術家集団と名乗ってはいるものの、設立された1903年から帝国公安調査庁により要監視団体に指定されている集団です。彼らの作品には、西洋の黒魔術を積極的に取り入れているものが多く、過激に走るあまり事件へと発展することが多々ありました※。


※地獄の炎を表現するために家族を閉じ込めたまま家を延焼させ、そこから作品を描き上げた「獄炎事件」の主犯である古塚茂雄は、同集団の構成員でした。


[[機密制限:丁級]]

 彼等によって引き起こされた事件の多くは、それを公表することが彼らの表現活動につながってしまうために、非公開若しくはカバーストーリ―を用意した上でマスコミに情報を提供しています。


 現在のところ、復讐の乙女が活性化する条件については3つの事件の状況から、深夜の時間帯に同墓地内へ浮気中の男女が立ち入ることであると考えられています。ただし、この条件が正しいものであるかどうかについては対象が破壊されてしまっているため、実証実験は行われていません。そのため活性化中、浮気中の男女以外の人間がいた場合、彫像がどのような行動を取るのかについても不明のままです。

[[制限終了]]


【対応】

 帝国妖異対策局では20■■年に発生した事件を妖異案件として取り扱うこととし、早急に対策に乗り出しました。過去の事件の経緯及び土御門研究所のアドバイスにより、満月の夜に浮気中の男女を同墓地に配置することによって、妖異の活性化を図ることとしました。たまたま■■鎮守府にて提督と秘書官による不倫騒動を耳にしたTN80Kが鎮守府と交渉。結果として提督と秘書に囮役としての協力を取り付けることに成功しました。


 囮役が深夜に外人墓地に到着してから数分後、復讐の乙女の活性化が確認されました。彫像が、囮役に襲い掛かろうとしたところへ、不破寺局員とTN80Kが応戦。彫像を破壊し無害化に成功しましています。


【懸賞金】

 19■■年から20■■年の事件終了まで、■■県警により犯人目撃情報に対して懸賞金が掛けられていました。[終了]

現在、懸賞金は掛けられていません。

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