第15話 霊界・・・君を探しに・・・
俺達が戻るといつもの顔触れがいた。
「みんな……何して……」
「悠愼……」と、功太。
「悠季ちゃんの事、心配で…」と、伊都霞ちゃん
「悠愼…どうなっているんだ?」と、正矢。
「悠愼君…悠季…は…?助かったんだよね?」
と、友夏。
俺は首を左右に振った。
「嘘…でしょう?」と、伊都霞ちゃん。
「悠愼っ!お前っ!」と、正矢。
正矢に胸倉を掴まれた。
「だけどっ!俺はまだ諦めてねぇっ!アイツは、まだ逝くには早すぎんだよっ!」
「悠愼……」
「今から連れ戻す……アイツには……まだ生きる権利はあるっ!霊の仕業で命を落とすなんて…」
「悠季…私にさようなら、ごめんねって言われた気がしてたけど…」
「アイツ…生きる事…諦めていたから…」
「………………」
「取り合えず、今からが闘いだと思うから……連れ戻して……みんなで迎え入れたいから、みんなも一緒に来てくれないか?アイツは、俺達の仲間だし友達だから」
「悠愼……悠季さんを連れ戻すのは楽じゃないぞ!気合い入れてかかれ!」
「ああ」
「集中して悠季さんを現世に連れ戻しなさい!お前も霊界に連れて行かれるぞ!生きた人間が行くというのは……死にに行くのと一緒だからな
」
4人が見守る中、悠愼は悠季を連れ戻そうと霊界に行くのだった。
『霊界に向かうと、検問がある。修行の為の階級をつける為だ。普通の人間は中級が一般的だが……悠季さんは…生まれつき霊に憑かれ易い体質だ。もしかすると中級ではないかもれない。これは…その場に行かないと分からない状況だ。奴等にバレないようにしないと……戻れないぞ』
「俺は一緒に戻って来る。もしかして何かしらの条件をつけられるかもしれない……。だけど…それで悠季が戻って来るなら……俺はそれでも良い」
大きい扉の前に二人の検問人らしき奴、案内人みたいな奴がいた。
悠季の姿は既になかった。
≪もう中なのか?≫
俺は検問を無事に通過した。
中は一体どういう所か分かりはしない。
その時だ。
「悠愼?」
名前を呼ばれ、振り向くと
「悠季…?」
悠季は抱きついた。
「本当に…悠愼だ…」
「悠季…このまま黙って聞いて欲しい。俺は、お前を迎えに来た」
「えっ?」
「顔を上げずにそのまま聞け!今ならまだ戻れる」
「悠愼…」
「だから一緒に戻ろう」
「無理だよ…私はもう死んじゃったから」
「じゃあ俺もこのままお前と過ごした方が良い」
「悠愼…そんなの駄目…っ…」
キスで唇が塞がれた。
「みんなが待ってる…」
「戻っても私の居場所はないから」
「あるから!」
「ないよ…戻った所で…私は…」
「悠季…だったら俺との時間作ってくれないか?少しの期間でも良い。ずっとなんて言わねぇから…なっ!頼む悠季…」
「悠愼…」
「本当はずっとが良いけど…多分…ルール違反だって事…分かってる…下手すれば俺も死ぬかもしれない…時間がねぇんだよ…」
「悠愼は死んだら駄目だよ…」
「だったら、俺含むみんなの所に1回戻ってアイツらとの時間作ろう。お前の思い出は辛い思い出ばっかじゃん!」
「悠愼…ありがとう…でも…もう…私は…みんなにごめんって伝えて…」
悠季は離れて行く。
「悠季っ!行くなっ!」
「やっぱり生きた人間がいましたねっ!捕らえなさいっ!」
「誰が捕まるかよっ!」
俺は悠季の手を掴み連れ出した。
「えっ!?ちょ、ちょっと…悠愼…」
「門をお閉めなさいっ!」
ギリギリ抜け出した。
「悠愼っ!離…」
キスをする。
「俺は、みんなに連れ戻すと約束したんだよ!お前を人間界に…現世に連れ戻すって…」
「悠愼…」
「どうなるか分からねぇけど…正直、俺の我が儘でもある…少しでも助かる時間があるなら、お前を戻して…お前との時間作りてぇから…」
キスをすると深いキスをした。
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