第2話 出会い
「おい!聡!今日空いてるか?」
入学そうそうにオリエンテーションがあったおかげで
人間関係はほどほどに築けていた
「?空いてるよ、どうした?」
話しかけてきた友人に聞き返す
「今日な、この前のオリエンテーションで仲良くなった女の子と遊ぶんだけど・・・聡もどうだ?」
なんか大学生らしく女子との合コンみたいのは楽しみにしていた
「ホントか!!もちろん行くよ!!」
「OK!じゃ、今日の講義終わりに食堂で集まるからそこでな!」
「わかったよ!!」
そういって今日の集まりに胸を高まらせて講義を受けに行った
・・・
数時間後
講義は終わり食堂へと向かう
するとそこにはもう数人の人が集まり
談笑している
「おお!聡こっち!!」
今回さそってくれた男友達がこちらにこいと手招きをする
「おまたせ!これで全員?」
そういって周りをみる
男は僕と声をかけてくれた友達、それとオリエンテーションですこし話した男の三人
女の子はオリエンテーション中テンションが高かった女子が三人いた
三対三ちょうど人数もあっていた
これで全員と思ったとき
「いや、実はもう一人いてな」
「そうなのか?」
男友達に聞き返す
「ああ、俺がオリエンテーションで話していた娘なんだけど・・・」
「?そんな娘いたか?」
「ひどいやつだな~おまえ!!あ!ほらきた!!」
そういって食堂の入り口に目を向ける
するとそこには小柄なおとなしそうな女の子が小走りでこちらに向かってくる
「ごめんね、おまたせして・・・」
そういって顔を上げる
その顔はとても大学生とは言えない幼い顔立ちをした娘だった
「はじめまして」
そういってその娘は会釈する
「どうも」
僕もその会釈につられて頭を下げる
礼儀の正しい娘だな
それが第一印象だった
そうして全員集まった僕らは近くにマンションを借りているもう一人の男の家に行くことになった
「お邪魔します~」
みんな声をそろえて家に入る
「へぇ~結構きれいだね!」
テンション高い三人組の女子の一人がいう
「ね~なにする?」
もう一人の女の子も尋ねる
「そうだな~まず買い物行くか!」
男友達は先頭切ってみんなをまとめる
そのあとはぞろぞろとコンビニに買い物に行って
思い思いの食べ物飲み物を買い
部屋へと帰る
そのあとは家にあるパーティーゲームをやり盛り上がった
そんな時間はあっという間に過ぎ時刻は
すでに21時を過ぎていた
「もうこんな時間だけど・・・どうする?泊まるか?」
もう一人の男こと家主が聞く
すると
「泊まる!!」
テンション高い女の子の一人が答える
「私も!!」
そういって三人は泊まることに
男友達も
「俺も面倒だから泊まろうかな?聡は?」
「俺か・・・どうしようかな?」
そんな風に悩んでいる中
「あの・・・私門限あるから帰るね」
さっきの小さな子が言う
「え?そうなの?マジか~でも仕方ないよな」
男友達は残念そうに言う
「ごめんね」
そういって申し訳なさそうにしていた
そこで
「じゃ~俺も帰るかな?」
「え?聡も?」
「うん、家でないと寝れないんだ」
そういって笑って答えた
「そうか、仕方ないか!じゃ・・・もう帰るのか?」
男友達は聞いてくる
「ああ、え~と駅まで送るよ?」
友達の答えてそのまま門限のあるあの娘に話しかける
「え?いいの?」
「夜道を一人で返すわけにはいかないよ」
「あ、ありがとう」
そう返してくれた
その中男友達はニヤニヤしながら
「そういうこと?」
何かふくみを残していう
「うるさい!!じゃ、行くは!またな!!」
男友達の言葉に言い返した
そして
「今日は楽しかった、またね」
そういってみんなにあいさつしてその娘も玄関を出た
二人並んで歩き始める
「・・・」
「・・・」
二人ともさっきも話してなかったせいか話題が見つからない
なにかないかと話題を探っていると
「あの・・・聡さんでいいんですよね?」
「?ああそうだよ、そうか自己紹介してなかったか」
遊んでいる最中も特に話していなかったので
この時を使って自己紹介を始めた
「え~・・・っとなんて呼べばいいかな?」
「あ!そうだね、私は翼っていいます」
「翼さんか、よろしくね」
「翼でいいよ」
笑顔で答える
「それなら、俺も聡でいいから」
「うん、わかった!聡ね」
なんか女性に名前を呼び捨てにされるのは照れる
「じゃ・・・翼?いこうか?」
そして、女性の名前いうのも照れる
なんか知らずに照れている中
お互いに話すことなく歩く
「・・・」
横顔を見る
こんなに幼い顔で本当にただただかわいいっと
思ってしまう
その視線に気づいたのかこちらに顔をむけ
「ん?どうしたの?」
それになんか気まずくなって
何となく空を見上げて
「いや、なんでも・・・ないよ?」
「ふふふ、聡は面白いね?」
「え?」
「だって、みんなでいたときも気使ってみんなのこと楽しませてたし」
はっとした
何気に行っていた行動が人に見られていて
しかも認められたとは・・・
「いや、そんなことはないよ」
「そう?でも私はたのしかったよ?」
なんかもっと恥ずかしかった
「ありがとう」
小声で答えた
そんなことでもう駅についてしまった
「ついちゃったね?」
翼がいう
「そうだね・・・」
翼がいたずらっぽく笑う
その姿になんともいえない心のざわめきを感じた
「今日はありがとうね・・・じゃね」
そういって翼は駅構内に消えていった
その姿を見つめてその日は終わった
窓の外の景色が
素早く流れていく
先ほどまでの映像が溶け込んでいく
自分にふと帰ると
あの時も駅だったんだな・・・
そんなことを思う
あのときすでに翼に何らの思いを抱いていたのだろう
そのあとの二人はこの景色のように
急速に距離が近づいた
偶然講義も同じのが多く
また席も近く人なり
良く話すことが多くなった
たぶん単純に居心地がよかった
翼が出す雰囲気はただただ
やさしくそしてどこか儚げで
そのどこか壊れてしまいそうな空間を守りたい
そして包まれてた
あれはたしかに恋だった
彼女はどうだがわからないが
おれは恋をしていた
その思いが車外の白い景色に溶けて
また新たな思いが生まれてきた
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